2012 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザの利用環境に依存しない品質制御実現のための相対的主観評価値の測定
Project/Area Number |
23700097
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Research Institution | Japan Coast Guard Academy (Center for Research in International Marine Policy) |
Principal Investigator |
佐藤 寧洋 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), その他部局等, 講師 (80571554)
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Keywords | 通信品質 / 主観評価 / インターネット / 情報通信 / 心理学的測定法 |
Research Abstract |
本研究では、ユーザのネットワーク環境や利用端末に依存しないネットワーク環境実現のために、利用ユーザの主観評価の測定を目指した。昨年度は、トラヒックやネットワーク構造による通信品質の違いに着目し、さまざまなネットワーク環境や利用環境による実験・調査を行った。 ・テキストデータや動画ファイルなどコンテンツの違いやネットワーク環境の違いによる品質感知の違い 実験ネットワーク上において、テキストデータ(数KB)や動画ファイル(数百MB)のデータをダウンロードしてもらい、ダウンロードの対象となるデータ量や種類によって、どのように劣化に対する感じ方が変化するのかについて調査した。また、ネットワーク内において帯域制限を行い、得られるスループットを制限した状態で同じ実験を行い、その結果と比較した。被験者からのアンケート結果より、ユーザは、大きなスループットが得られる高速なネットワークを求めているのではなく、低速であっても安定的に通信ができる環境の方が、不満に感じないということを明らかにした。 ・トラヒックやネットワーク構造による通信品質の変化 ユーザが受けるサービスの内容やネットワーク構造・設定によってユーザの主観評価値は大きく影響を受けると考えられる点から、 ネットワーク環境やトラヒックの種類によってどのように通信品質が影響されるのかについて調査した。同じ実験ネットワーク環境であっても、ノード間やルータ間の接続形態を変えることで通信品質(主に検索効率や探索範囲)を大きく改善できることを明らかにした。また、そのネットワーク構成を実ネットワークにおいてどのように実現するのかについて調査し、そのようなネットワークの自立的な形成を促すために数値的なモデル化を行い、シミュレーションによってその影響を明らかにした。
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