2011 Fiscal Year Research-status Report
360°全周3次元ディスプレイを目指した円筒ホログラムの高速計算手法の開発
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23700103
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
下馬場 朋禄 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20360563)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
本研究は円筒ホログラムをリアルタイム生成できる高速計算手法の開発を行うことを目的としている.円筒ホログラムのネックは,直交座標で定義された3次元物体から円筒座標で定義されたホログラムを計算する高速計算手法がないことが挙げられる.申請者は既に,波面記録法と名付けた平面ホログラム用の高速計算手法を提案しているが,本研究では円筒座標における波面記録法の開発を行う.提案手法は3次元像と円筒ホログラムの間に仮想的な円筒面を置き,仮想円筒面を経由した2ステップの計算手法となっている.まず1ステップ目では直交座標系で定義された3次元像データから仮想円筒面上の光波分布を計算する.この計算は計算量が少ないため,直接計算を行う.第2ステップでは,仮想円筒面から円筒ホログラムまでの回折計算を行う.これは円筒座標系間の光伝搬になるが,高速フーリエ変換(FFT)による回折計算手法を開発することで高速化が可能となる.本年度は,この第1ステップの計算をGPU上で効率良く計算できる手法を開発した.実際にGPUへの実装により10万点程度で構成された複雑な3次元物体から600万画素の仮想面を秒間30枚生成することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,提案手法の第1ステップの計算をGPU上で効率良く計算できる手法を開発した.実際にGPUへの実装により10万点程度で構成された複雑な3次元物体から600万画素の仮想面を秒間30枚生成することができた.第2ステップの仮想円筒面から円筒ホログラムまでの回折計算に関しては,今年は実施していないが,これは高速フーリエ変換による円筒座標系間の回折計算手法を用いることができるので,次年度に実装を考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,第2ステップの仮想円筒面から円筒ホログラムまでの回折計算を,まずCPU上に実装し原理確認を行う.その後,この回折計算をGPU上へ実装する.最終的に前年度に開発した第1ステップのGPU実装と,本年度に開発する第2ステップのGPU実装を統合し,10~100万点規模で構成された複雑な3次元物体から600万画素程度の円筒ホログラムをビデオレートで生成することを目的とする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の研究に関して,円筒ホログラム光学系を構築するためLCDパネルキット1台,関連する光学部品,GPUの購入を考えている.旅費に関しては,3回の国内学会への旅費とその参加費,2回の国際会議への旅費とその参加費,2編の論文の学会誌投稿料,国際会議論文とジャーナル論文の英文校閲費を考えている.
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Research Products
(12 results)