2012 Fiscal Year Annual Research Report
360°全周3次元ディスプレイを目指した円筒ホログラムの高速計算手法の開発
Project/Area Number |
23700103
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
下馬場 朋禄 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20360563)
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Keywords | ホログラム / 計算機合成ホログラム / 3次元ディスプレイ / 回折計算 / GPU / 不等間隔FFT |
Research Abstract |
ホログラムを円筒状に配置すれば原理的には360 °全周で3 次元映像を観察できる.本研究では円筒座標における波面記録法の開発を行う.提案手法は3 次元像と円筒ホログラムの間に仮想的な円筒面を置き,仮想円筒面を経由した2ステップの計算手法となっている.まずステップ1では直交座標系で定義された3 次元像データから仮想円筒面上の光波分布を計算する.この計算は計算量が少ないため,直接計算を行う.ステップ2では,仮想円筒面から円筒ホログラムまでの回折計算を行う.これは円筒座標系間の光伝搬になるが,高速フーリエ変換(FFT)による回折計算手法を開発することで高速化が可能となる. 波面記録法のGPU実装には2つの方法が考えられる.一つは,一つのGPUスレッド(GT)が物体点1点の波面録面上での光波を計算する.この方法は実装が容易でCPUなどではよく用いられるが,GPU上の実装には向いていない.不向きな理由として,①各スレッドが並列動作するため,波面録面上での光波のメモリ書への書き込みがランダムアクセスになる,②メモリ書き込み時に,異なるスレッドが同時に同じ場所にアクセスする場合がある,が挙げられる.本研究では,この欠点を改善する実装を試みた.各GPUスレッドは,波面記録面一つの画素を担当する.そのため前者の実装のような問題は起こらない. またステップ2では円筒面間の回折計算が必要になる.一般的な回折計算は平面間の光波伝搬を対象にする.本研究では円筒面を含む任意曲面の回折計算の検証をおこなった.本手法は幾つかの近似を用いることで任意形状面でのフレネル回折計算を導出した.この回折計算は不等間隔FFT(Griddingによる補間処理,1回のFFT,Griddingの影響を除去する逆畳込み処理から成る)で処理できるため,回折積分式を数値積分するよりも高速に計算することができる.
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Research Products
(7 results)