2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700116
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅野 泰仁 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (20361157)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 集合知 / ウェブ / 知識補完 |
Research Abstract |
本研究の目的は,Wikipedia等に代表される現在の集合知サービス上の知識と,一般のウェブページに存在する知識を互いに有機的に循環させるための基礎技術の構築であり,(1)集合知を補完する知識の検索手法,および(2)補完知識の整理・提示手法を構築することであった.特に,平成23年度の研究実施計画は,(1)のうち,特にWikipediaの画像情報の補完手法を,主に申請者のWeb情報発見分野および, Wikipediaにおける概念間の「関係」に関する研究を応用して構築する,ということであった.本年度は,Wikipediaにおける概念間の「関係」知識についてWikipediaに不足している画像をウェブから検索し提示する仕組みを申請者が提案した「縁」(えにし)システムに追加し,さらにWikipediaの与えられた記事に不足している情報をトピックモデルを用いてウェブから検索する手法の提案を行った.前者の「縁」システムについては,www.db.soc.i.kyoto-u.ac.jp/enishi/enishi.html でデモを公開しており,たとえば"Petroleum - Japan"のリンクをクリックして"Search"ボタンを押せば,まずWikipediaから得られた知識として,石油と日本の関係を成り立たせている要因が提示される.ここで"Tile View"ボタンを押せばこの関係の理解に役立つ画像が表示され,クリックすることで説明を読むことができる.これらの画像と説明はWikipediaには存在しないもので,Wikipediaから得られた知識とウェブから得られた知識を統合して提示することで,ユーザーに「関係」知識の理解を促すことができている.また,後者の手法については,予備実験を行い,その有効性を示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績概要」に記載したように,本研究の目的は,Wikipedia等に代表される現在の集合知サービス上の知識と,(集合知サービス以外の一般の)ウェブページに存在する知識を互いに有機的に循環させるための基礎技術の構築であり,平成23年度の研究実施計画は,特にWikipediaの画像情報の補完手法を,主に申請者のWeb情報発見分野および, Wikipediaにおける概念間の「関係」に関する研究を応用して構築するということであった.これに対して,本年度は,「研究実績概要」に記載したように,この計画を実現したシステムを構築することができたため,このような評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に構築した,Wikipediaの与えられた記事に不足している情報をトピックモデルを用いてウェブから検索する手法のさらなる発展を目指す.この手法については,本年度に予備実験を行いある程度の有効性を示せたものの,未だWikipediaの特徴を十分に活かせているとは言い難いため,Wikipediaの本文,リンク先の記事,セクション構造,カテゴリ情報,リンク情報などを活用したり,「縁」システムですでに取り組んでいる,「関係に関する知識」以外の何らかのテーマに特化した知識補完手法を考案する.補完知識の整理・提示手法については,Wikipediaの画像情報の補完手法によって得られた知識の整理・提示手法はすでに本年度の「縁」システムとして構築したため,来年度以降は,Wikipediaのトピック補完手法によって得られた知識をWikipediaの内容と統合して提示する手法などを構築する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費として,手法を計算機上で実装するためのソフトウェア,記憶装置,図書等を購入する.また,成果を国際学会で発表し,最新の情報を入手するために,旅費を用いる.手法の性能評価実験のために,研究室の学生に評価などを行ってもらうため,謝金を用いる.
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Research Products
(5 results)