2011 Fiscal Year Research-status Report
4D世界地図システムによる地域文化の意味的・時空間的分析・検索・可視化環境の実現
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23700127
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
佐々木 史織 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特任講師 (90383934)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 情報システム / データベース / マルチメディア / 時空間的分析 / 可視化 / 情報検索 / 意味的分析 / 文化研究 |
Research Abstract |
本研究では,マルチメディアの分析・検索・可視化によって地域文化の差異や類似性の比較分析を可能とするクロス・カルチュラルな4Dマルチメディア世界地図システムを,海外の大学・研究機関の研究グループとの協働により構築・実現する.本4Dマルチメディア世界地図システムは,歴史・文化に関する多様なマルチメディアデータ(文書・画像・音楽・動画)間の意味的・時空間的関連性計量に適用し,各時代や文化の多様性を反映した動的計量・分析結果を時間軸を伴った三次元地図上に可視化することにより,国際社会における各国・地域・都市の文化的差異・類似性の比較分析を可能とする多元的情報分析システムである.本環境の実現により,利用者の興味・関心・視点・問題領域と時空間情報の組み合わせに応じた,利用者毎の多種多様な歴史的・文化的ストーリー(解釈)生成と新たな学術的メディア・コンテンツの生成が可能となる.平成23年度は,基本システム機能の設計(マルチメディアデータからの意味的メタデータ抽出機能,文化別メディア要素分析機能,メディア別計量空間,クエリ処理・解釈機能,時空間情報分析機能,文化的先・類似性計量機能等),対象とするメディア・分野の選定,および,プロトタイプシステムの構築を,文化財のデジタル・アーカイヴ化,検索・分析システム構築を推進する海外の研究者グループ(インドネシア,タイ)との共同により行った.これらの分析・検索・可視化・共有機能を用いることにより,利用者はインタフェースにおける検索条件ならびに問題領域に関するキーワードの入力・選択,または,マルチメディアデータの投稿を行うのみで,検索・分析意図に応じて自動的に生成された意味的クエリおよびメディアデータ・クエリによって,歴史・文化に関するマルチメディア群を多角的・動的に検索・分析することが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本システム実現に関する学術的成果として,1件の国際ジャーナル論文の発表,1件の国際会議における招待講演発表,6件の国際学会発表(査読有り),2件の国内学会発表(査読有り),1件の国内学会発表(査読無し)を行った他、本研究の推進過程において国際的な学術的・人的交流ネットワーク,および,国際協働体制(フィンランド,ドイツ,タイ,インドネシア,ベトナム等)を構築し,The 1st Indonesian-Japanese Conference on Knowledge Creation and Intelligent Computing (KCIC 2012)をインドネシアEEPISの研究者と共に主催するなど,国際的な展開に関して成功を収めたため.
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Strategy for Future Research Activity |
(1)これまでに構築したメディア別意味的検索システム,文化的差異・類似性計量システムと時間的・空間的情報データベースとの連結・統合を行う. (2)連結・統合された意味的情報検索システムおよび時間・空間的情報データベースから得られた分析結果を可視化する機能を設計,実現する.(3)実現された分析システムの結果を,時系列および問題領域・情報源・イシュー別・地域別に表示可能とする3Dメディア・インタフェースを設計し,実現する.必要に応じて,研究補助に依頼し,3Dオブジェクト作成ソフトウェアの開発を行う.(4)総合的な実証実験システムを設計,実現し,内外の研究協力者の協力のもとに実証実験を行う.海外の研究協力者には,マルチメディアデータベース,メディアデザイン,ユーザインタフェースの研究者(Aalto Univ.,フィンランド),セマンティック・ウェブの研究者(Christian-Albrechts University,ドイツ),画像検索(CBIR)手法・データマイニング研究者(EEPIS, インドネシア),および,画像メディアのアノテーションおよび検索手法の研究者(NECTEC, タイ)を予定している.(5)実証実験の結果を受けて,文化的差異・類似性計量機能,および,情報可視化機能の改良を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度においては,前年度に引き続き歴史・文化に関する時空間情報データベースの作成作業および実証実験システムの構築を行うため,また,可視化する機能,3Dメディア・インタフェースの実装のために,研究・プログラミング補助を約30日間設ける.また,総合的システムの実用性について海外の研究協力者の協力を得て検証実験を行うため,国内出張・国外出張を5回程度予定している.具体的には,国内・海外研究打ち合わせを1回程度,国内における成果発表や研究打ち合わせのための会議を2回程度,海外における成果発表2回程度を予定している.この国際会議における成果発表のための海外出張旅費の一部には,平成23年度の研究費残額(スケジュールの都合により実施できなかった海外研究者招聘のための費用)を使用する.
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Research Products
(12 results)