2011 Fiscal Year Research-status Report
Web動画像・音楽メディアを対象とした感性自動分析・個人化・配信システムの実現
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23700128
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
倉林 修一 慶應義塾大学, 環境情報学部, 講師 (70458959)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | マルチメディア / データベース / 動画像データベース / 音楽データベース / 印象分析 / 印象検索 |
Research Abstract |
本研究では、動画像・音楽データを対象とし、それらを多様なコンテクストを持つ時系列メディアデータとして捉え、感性分析によるコンテクストの自動抽出により、利用者の個人的嗜好に応じた感性計量処理を伴う自動的なメディア配信を行う"動画・音楽メディア感性自動分析・個人化・配信システム"を実現している。具体的には、(1)色彩印象コンテキストを識別可能な動画像感性分析機能、および、音楽印象コンテキストを識別可能な音楽印象分析機能を実現した。また、(2)Web動画像を閲覧・検索する個人の感性的嗜好に合致するよう、前述の色彩印象分析機能および音楽印象分析機能を対象とした個人化検索・配信技術を実現した。本システム実現に関する学術的成果として、1件の国際論文誌発表(査読有り)、6件の国際学会発表(査読有り)、1件の国内学会発表(査読有り)、1件の国内学会投稿(査読無し)を行った。本研究の国際的な展開として、スロベニア・リュブリャナ大学のAna Sasa博士との間での動画・音楽メディア感性自動分析・個人化・配信システムの共同研究を通じて具体的なシステム構築を行い、1件の国際論文誌発表(査読有り)、および、1件の国際学会発表(査読有り)を行った。また、フィンランド・タンペレ工科大学のPekka Sillberg研究員、および、Petri Rantanen研究員との間で、MediaMatrixに関する感性分析処理性能評価実験を行い、1件の国際学会発表(査読有り)に採択された。本システムは、今後発展が期待されるコンテンツのネット配信を前提として、個人の感性に合致する情報の自動配信環境を実現する、新しいメディア獲得の可能性を広げるコンテンツ流通基盤として位置付けることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究代表者は、前述のとおり、平成23年度の「Web動画像・音楽メディアを対象とした感性自動分析・個人化・配信システムの実現」に関する研究成果として、交付申請書に示した平成23年度の研究計画として、(A) 動画像・音楽データを対象とした印象特徴量の自動分析技術、(B) 動画像・音楽データのコンテンツ印象変化に応じた検索技術、(C) コンテンツ印象変化の可視化技術の開発、および、(実証実験1)感性的特徴に応じた大規模動画像・音楽メディア配信機構を開発した。この本システム実現に関する学術的成果として、1件の国際論文誌発表(査読有り)、6件の国際学会発表(査読有り)、1件の国内学会発表(査読有り)、1件の国内学会投稿(査読無し)を行った。本研究の国際的な展開として、スロベニア・リュブリャナ大学のAna Sasa博士との間での動画・音楽メディア感性自動分析・個人化・配信システムの共同研究を通じて具体的なシステム構築を行い、1件の国際論文誌発表(査読有り)、および、1件の国際学会発表(査読有り)を行った。また、フィンランド・タンペレ工科大学のPekka Sillberg研究員、および、Petri Rantanen研究員との間で、MediaMatrixに関する感性分析処理性能評価実験を行い、1件の国際学会発表(査読有り)に採択された。特に、これらの国際共同研究に関する研究成果は、当初予定を上回るものであり、本研究が計画以上に進展していることを示している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者は、次の(D)~(F)の研究項目、および、実証実験に取り組む。(D) ユーザの個人的感性に応じた動画像・音楽メタデータ自動生成技術の開発: 利用者のメディアデータの視聴履歴、および、利用者が有するメディアデータ群をコンテクストとして、各利用者に対応する個人化感性空間を生成する機能を実現する。利用者毎に異なる感性ベクトル空間を構築することにより、利用者の感性的嗜好の個人差を計量し、個人の感性的嗜好に応じた感性メタデータを生成する。(E)Web動画像・ライブ動画像・音楽メディアの個人化感性メタデータを用いたリコメンデーション技術の開発: 利用者がPCや携帯情報端末上に蓄積した動画像・音楽データ、および、それらの視聴履歴を対象として、利用者の感性的嗜好を自動的に分析し、利用者の視聴特性と時系列メディアデータから抽出した感性的特徴量との関連性を計量することにより、利用者個人の感性的嗜好に応じた動画像・音楽の自動推薦を行う感性個人化・推薦機能を実現する。(F)動画到着量に応じて動的に分析精度を制御する分散並列型感性メディア分析フレームワークの開発: 新着メディアデータの総数に応じて、分析対象とする時間的粒度 を増減させる動的LOA(Dynamic Level of Analysis)技術を開発する。 (実証実験2)ライブ・ストリーミング中継サービスからリアルタイムに取得される動画像・音楽データを対象とした感性自動分析・個人化・配信システムを構築し、大規模ライブ動画像データを対象として、感性特徴量に応じた大規模ライブ動画像・音楽メディア配信機構を実現する。(実証実験3)動画・音楽メディア感性自動分析・個人化・配信システムの国際的共同研究環境を構築し、本システムによる時系列メディアデータを対象とした感性自動分析・個人化・配信サービスを実用的なレベルで構築する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に使用する研究費が生じた理由として、世界的な半導体価格の下落により、年度当初の計画時よりも、研究に必要な計算機及びその部品の調達を安価に行うことができたため、次年度に使用する研究費が生じた。平成24年度においては、研究計画の項目(D)(E)(F)について、実験データ作成・実験補助・プログラミング補助ために研究補助2名を7月~12月の6ヶ月間設け、構築する実証実験システム2、および、実証実験システム3の有効性、実用性について検証を行う。国内研究打ち合わせは、3回程度を予定している。また、国内における成果発表のための会議を2回程度、国外における成果発表を、3回程度を予定している。
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Research Products
(14 results)