2011 Fiscal Year Research-status Report
電子ホログラフィによる3Dゲームシステムの構築及び評価
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23700134
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
白木 厚司 木更津工業高等専門学校, 情報工学科, 講師 (10516462)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 電子ホログラフィ / 3Dゲーム |
Research Abstract |
本研究では電子ホログラフィ技術を用いたリアルタイム3Dゲームの製作とその評価を目的としており,平成23年度はゲームシステムを完成させる計画であった. 平成23年度の研究成果として,電子ホログラフィ技術によるシンプルな3Dゲームシステムを製作することに成功した.しかし,GPGPU用コンピュータとして購入したMAS-XW56Sの演算性能を十分に引き出せておらず,秒間30フレーム(ビデオレート)での動作を考えた場合,現時点ではゲームを構成する物体点数の上限が400点程度となっており,高精細な画像を表示させることは困難である.この点については平成24年度の課題とする. また,光学系を用いて3Dゲームを表示し,10名程度の被験者に約10分間プレイしてもらい,評価実験を行った.ゲームの内容としては,水平方向及び奥行き方向にキャラクターをずらして配置し,制限時間内に奥行き方向への並び順を回答するというものである.この正答率によって奥行き感を感じられているかを確認することができる.評価項目については,「眼精疲労はあるか?」,「奥行き感は得られているか?」の2つに自由記述を加えた簡素なものとした.ゲームの正答率及び評価項目から,ほとんどの被験者が奥行き感を感じられていることが確認できた.しかし,評価項目が2つと少なかったため,適切な項目を追加する必要性があり,被験者数,プレイ時間についても多くする必要がある. 以上まとめると,電子ホログラフィ技術によるシンプルな3Dゲームの製作に成功し,評価実験の結果から立体感が得られることが確認できた.これらの成果をまとめ,指導する学生が「情報処理学会 第74回全国大会」で講演し,学生奨励賞を受賞した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,平成23年はゲームとしての動作を確認するまでとなっており,光学系での再生及び評価実験は予定されていなかった.しかし,実際にはゲームシステムを制作し,光学系を用いて3Dゲームを表示し,被験者に評価してもらうまでに至っており,当初の計画以上に進展しているように見受けられる.だが,GPGPU用コンピュータの演算性能を十分に引き出せておらず,ゲームを構成する物体点数が少なくなってしまっている.その点を差し引いても,概ね順調に進んでいると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,GPGPU用コンピュータの演算性能を十分に引き出すことを目標として研究を行う.現在,演算性能を十分に引き出せていない理由の一つは,環境の変化によるものであると考えている.これまでの環境は32ビットOSであったのに対し,新たに購入したGPGPU用コンピュータは64ビットOSであり,この環境の違いを意識したプログラムにすることで改善される可能性があると考えている. 次に,ゲーム内容及び評価項目の見直しを行う.現在のゲーム内容は,奥行き方向の並び順を回答させることで奥行き感を得られているかを確認できるようになっている.これを,「どのようなゲーム内容にすれば,何が明らかになるか?」という観点に基づいて見直す必要があると考えている.それに応じた適切な評価項目を付け加える必要もある. 以上が改善された後,50名程度の被験者に2~3時間プレイしてもらい評価実験を行う予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度の計画では,50名程度の被験者を募り,3Dゲームを2~3時間プレイしてもらう予定である.その拘束する時間に対し謝金として2,000円,50名分で100,000円を予定している.また,被験者へのゲームの説明及び評価実験結果のデータ整理を本校学生に依頼する.そのことに対する謝金として100,000円(100~150時間)を予定している. 平成23年度~24年度の成果をまとめ,成果発表の費用(発表旅費,講演費,論文別刷り費等)として200,000円を予定している.
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