2012 Fiscal Year Annual Research Report
電子ホログラフィによる3Dゲームシステムの構築及び評価
Project/Area Number |
23700134
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Research Institution | Kisarazu National College of Technology |
Principal Investigator |
白木 厚司 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (10516462)
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Keywords | 電子ホログラフィ / 3Dゲーム |
Research Abstract |
3次元表示技術の一つに電子ホログラフィと呼ばれる技術がある.この技術は物体からの光の波面を完全に再現することができるため,究極の3次元表示技術と呼ばれている.この電子ホログラフィのように3次元像を表示する技術は確立されているが,その見え方については「明るい像」や「鮮明な像」といった評価しかされておらず,明確な評価の基準が定められていない.そこで本研究では電子ホログラフィを用いた3Dゲームを作成し,被験者にプレイしてもらうことで見え方の評価を行った. 電子ホログラフィを用いるうえで,CGH計算の膨大な計算量が問題となる.そこで,GPUを4枚搭載したMAS-XW56SをCGHの計算に用い,さらに表示デバイスへの表示にOpen CVを用いることで,CGHの計算から表示までをリアルタイムで実現できるシステムを構築した. 構築したシステムに3Dゲームを実装し,被験者にプレイしてもらうことで現在の電子ホログラフィにおける再生像の見え方の評価を行った.実装したゲームは,奥行き方向の位置が異なる像を縦,横に並べて配置し,手前から何番目かの像を選ぶというものである.本研究で評価した内容は,縦,横の並びによる見え方の違い,再生像の形状による見え方の違い,再生像の数による見え方の違い,どの程度奥行き方向にずらして配置すれば認識可能であるか,である.このような条件の下で評価実験を行った結果,再生像の形状により有意差が得られ,また,個人によって差があるものの,奥行き方向の認識精度についても評価することができた.今後は得られた結果を基に,電子ホログラフィを用いた実用的な3Dゲームを作成する予定である. また,GPUを搭載した高速計算機をサーバ化することで,インターネットに接続できる環境があれば誰でも高速にCGHを作成できるシステムを作成した.結果,この分野の研究の促進が期待できる.
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