2011 Fiscal Year Research-status Report
関心持続の脳内機構の解明とブレイン・エージェント・インタラクションの開発
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23700137
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野澤 孝之 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (60370110)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 脳・神経 / エージェント / 内発的動機付け / 知能情報学 / fMRI / NIRS / BCI |
Research Abstract |
本研究の目的は,エージェントやヒトとのインタラクションにおける関心持続の脳内機構を明らかにし,より「飽きのこない」インタラクション・エージェントの設計に活かすことである.インタラクション時の注意,情動,共感,価値評価,意思決定に関わる脳領域の活動をfMRI/NIRSで計測し,主観的な関心度やそのリアルタイムな変化との対応を明らかにする.さらにヒト同士のインタラクションとヒューマン・エージェント・インタラクション(HAI)の結果を比較し,得られた知見を活かしてユーザの脳活動をリアルタイムにモニタするエージェントの開発を目指す.H23年度は,次項に述べる理由で,HAIの研究推進に充分なエフォートを割くことが困難であった.そのため,同時に推進している研究課題との共有部分を拡大し,上記目的達成の支えになる結果と方法の蓄積に努めた.具体的には,注意・実行機能を要する認知課題を繰り返して行うとき,その都度パフォーマンスが変動することを「認知的かまえ(readiness)」の変動によるものと捉え,これを表現している神経基盤を,その自発的活動が直後に提示される認知課題のパフォーマンスに影響するようなネットワークとして,fMRIおよびMEG/EEG実験により全脳で探索した.実験の結果,いわゆるdefault mode networkを構成する楔前部,下頭頂小葉,内側前頭前野などでは直前の活動が課題パフォーマンスと負に相関し,他方で前頭前皮質背外側部,前帯状皮質背側,島皮質などの直前活動は課題パフォーマンスと正に相関することを示した.これら領域の多くはインタラクションの関心持続に関わると予想された領域と重なっており,認知的かまえを読み取りエージェントのアクションに反映させれば関心持続に大きく寄与すると期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災による実験研究環境への被害により約三ヶ月間にわたり研究が中断したこと,それにともない生じた既存研究課題の遅れ回復や新たに発生した職務への対応などにエフォートが割かれ,とくに適応的インタラクションエージェントに関しては当初の計画どおり進めることが出来なかった.他方で,上記のように関心持続に関連する脳内機構については予定以上の成果が得られており,研究課題の目的をふまえた全体的な観点からは,大きな遅れは生じていない.
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Strategy for Future Research Activity |
エージェント設計に関する計画の遅れから,条件間で関心の持続に大きな差を生じうるようなインタラクションのデザインにはまだ時間がかかると予想される.その一方で当初計画を越えて,ヒト同士でのインタラクションにおける脳活動のNIRS同時計測などにも着手し,予備的なデータがとれている.そこで今後,エージェントの設計について検討を進めつつも,当面はヒト間コミュニケーションでの関心持続機構の解明を優先して進める.とくに resting state networks の動きによる関心の読み取りについて新たなfMRI/MEG/NIRS実験を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記で述べた当初計画からの変更のためH23年度は必要な計算機環境の補強をはじめ,学会等への参加による情報収集や実験での謝金支払いなど,計画していた研究費使用がほとんど進まなかった.これらの繰り越し分については,必要性の高いものから既に使用を開始している.また上記の方策に沿って,H24年度は実験に必要な謝金等の経費に研究費を多く使用する計画である.そのほか国際会議等参加のための使用も予定している.
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] Slow fluctuations of BOLD signals in task-positive and default mode networks predict intra-subject variance of cognitive performance2011
Author(s)
Nozawa T, Sugiura M, Ihara M, Kotozaki Y, Miyauchi C M, Yokoyama R, Kanno A, Sakuma A, Kanoh S, Kawashima R
Organizer
Society for Neuroscience 41th Annual Meeting
Place of Presentation
Washington D.C., USA
Year and Date
2011年11月12日
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