2011 Fiscal Year Research-status Report
実写映像処理に基づく運転模擬環境の構築と視覚特性評価
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23700138
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 晋太郎 東京大学, 生産技術研究所, 特任助教 (80526799)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ドライビングシミュレータ / 自由視点映像 / 道路構造モデリング |
Research Abstract |
本研究は、ITS(高度交通システム)の中核ツールであるドライビングシミュレータ(DS)において、実写運転映像により現実感を高め、DSが交通問題の解決のために適切に活用されるようにすることを目的とする。以下に、これまでに達成した事項について述べる。運転席、プロジェクタ、スクリーンなどからなるDS環境において、既存の従来型のCGによる表示方式に加え、公道を走行して撮影した全方位映像を合成して表示できるようにした。運転映像には光線空間法を適用し、撮影時とは別の車線からの見えを擬似的に再現することも可能とした。提示可能な道路は首都高速道路3・4号線の一部である。撮影データのサイズは、JPEG圧縮をかけた状態でも10分ほどのシーケンスで数十GBに達する。全方位画像列の類似箇所を追跡して主成分分析により圧縮をかける手法を適用したところ、データサイズを20%にまで落としてもほぼ同等の品質を確保できることを確認した。このDS環境において、背景映像に従来型のCGを用いた場合と実写映像を用いた場合でDSによる走行実験を行い、運転者に提示映像の質について関してヒアリングを行ったところ、映像取得時のサンプリング間隔や車両の振動、提示する解像度などの点において改善の余地があることが分かった。これについては翌年度、特徴点追跡およびメッシュ補間により解決することを試みる。DS運転映像のうち前景部分(道路構造など)のモデリングについては、車載したレーザ計測機の計測結果や図面データをDS用のシナリオエディタに取り込む手続きについて整理した。また、実際に首都高速道路において取得したレーザ計測結果をシナリオエディタに取り込めることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施計画に挙げた (1)定置型実写映像DS環境の構築、(2) DS背景映像領域の描画方式の違いによる運転特性・視覚特性の評価、(3)実測データ・図面データを利用したDS前景映像領域モデリング手法の検討について、当該年度実施予定の項目がほぼ実施されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) DS環境の構築については、運用上の問題点などを整理し、様々な実験を円滑に行えるようにする。(2) DS運転映像(背景部分)の評価については、描画方式においてデプスマップの設定方法や高架橋や看板などの上空構造物が存在する場合の処理について検討したうえで被験者実験を行い、車線変更量に応じた視覚的違和感を評定する。また、映像取得時のサンプリング間隔や車両の振動補正については、特徴点追跡およびメッシュ補間により解決することを試みる。(3) DS運転映像の(前景部分)の構築については、電子図面データから半自動的に構築する方法について整理し、レーザ計測データとの誤差や、互いの補正手法についても検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
DS環境の整備やデータ処理に用いる計算機や周辺機器等に30万円程度、成果発表や情報収集のための旅費に30万円程度、その他10万円程度を予定している。
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Research Products
(8 results)