2013 Fiscal Year Annual Research Report
実写映像処理に基づく運転模擬環境の構築と視覚特性評価
Project/Area Number |
23700138
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 晋太郎 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (80526799)
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Keywords | ITS / ドライビングシミュレータ / デジタル地図 / 自由視点画像 |
Research Abstract |
ドライビングシミュレータ(DS)の表示系において、車載センサーで取得した道路周辺の実写映像や形状、また電子地図情報を用いることで、既存の方式よりも現実感の高い見えを簡易に構築する手法を開発した。 DS映像のうち背景部分については、計測車両により取得した実写パノラマ映像を再構成することで表示できるようにした。シーンのデプスを仮定し、見込み角度に応じたテクスチャを保持して提示することで視点変更(車線変更効果)を実現した。また、それらのテクスチャを主成分分析により圧縮・展開して表示できるようにし、元の1/5以下のデータ量で十分な品質のまま描画できるようにした。 DS映像うち前景となる道路構造については、撮影時に他車両が映り込み、DS映像表示時には他車両や信号機を制御して表示する必要があることから従来型のCGを用いる。道路構造部分のCGを効率的に構築するため、国土交通省が整備を進めている道路基盤地図情報を活用する。必要な地物を自動抽出し、これをDS用のCADツール(シナリオエディタ)に取り込めるようにした。これによりモデリング作業を大幅に削減することができた。 また、シーンのデプスを仮定して自由な視点移動を再現する描画方式と、単純な円筒面状のデプスを設定して車両挙動の回転成分のみを描画に反映する簡易的な描画方式について、被験者の視覚的特性(違和感)を評価したところ、前者の方式よりも後者の方式の方が車線変更に対して自然な見えを与えていた。この結果から、前者の方式における正面方向映像の処理の改善や、仮定したシーンデプスと実際のシーンデプスのずれを是正することが重要であり、それが困難であるような複雑な道路シーンを描画する際は、簡易的な描画方式の方が却って有利となる可能性も示唆された。
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Research Products
(11 results)