2012 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザ割り込み拒否度推定に基づく仲介による円滑なインタラクション開始支援
Project/Area Number |
23700139
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 貴紘 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80451988)
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Keywords | ヒューマンインタフェース / ヒューマンコンピュータインタラクション |
Research Abstract |
前年度確立した割り込み拒否度推定機能を有する,ユーザと他ユーザ・情報システムとの間のインタラクションを仲介する秘書エージェントの開発を行った.開発システムは,エージェントは,ユーザのPCに常駐し,ユーザのPC入力情報とKinectによる顔検出機能を用いて取得した頭部位置を元に,作業中の割り込み拒否度推定機能を持つ.また,外部から割り込み要求を受信すると,ユーザに割り込み要求への自然な気付きを促し,インタラクションを円滑に仲介する. 頭部運動を考慮することで,拒否度推定精度の向上が期待されるが,ユーザの状態推定は本質的に推定誤差が存在するため,誤差に頑強な情報提示方法が必要であった.そこで,人が日常的に行う,相手の様子を伺う視線行動(共同注視,視線交差)に着目し,エージェントが割り込み要求をアンビエントにアピールする機能を実現した.推定とアピールの併用により,実際には割り込むことなく気づきを促し,ユーザ自身が任意のタイミングで要求の確認を行うことで,インタラクションを開始させることが可能となった.この気付きから確認までの間はInterruption Lag(割り込み猶予期間[Altman 2004])と呼ばれ,割り込みによる認知的負荷を軽減すると確認されている.本研究では,これを割り込み調停法として提案した. 評価として,条件A(ランダムタイミング,直接割り込み),B(低拒否度推定時,直接),C(ランダム,アピール),D(推定,アピール)の4条件による割り込み実験を行った.実験の結果,ユーザの印象評価,および,適切なタイミングでの割り込み率は,推定とアピールを併用する条件Dが最も高い評価となった.また,併用により,体感の推定精度は85%を越え,割り込みによる作業効率低下も最も低い結果となった.以上から,本研究の秘書エージェントによる割り込み調停の有効性を示すことが出来た.
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Research Products
(7 results)