2012 Fiscal Year Research-status Report
プロジェクタカメラ系を用いた印刷媒体での立体情報および動画表示
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23700146
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| Research Institution | Wakayama University |
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Principal Investigator |
天野 敏之 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (60324472)
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| Keywords | 拡張現実感 / プロジェクタカメラ系 / 見かけの制御 / 印刷媒体 / 立体提示 / 動き情報 / Shading Illusion / 国際情報交換 オーストリア |
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| Research Abstract |
雑誌や新聞，パンフレットなどの印刷媒体は書き換えることはできない．そのため，ディスプレイのように動画や立体情報を表示することは不可能であった．本研究では，プロジェクタとカメラから構成されるプロジェクション型拡張現実感技術により，動きや立体情報の表示を可能とする新たな印刷媒体を創造する．
平成24年度では前半で立体情報の表示を完成させ，後半には本研究の2つ目の課題である印刷媒体での動き情報の表示技術について，画像ノイズに対する耐性が高く，効率の良い符号化方法の検討を行う予定であった．
前半の動き情報の表示については予定通り完了することができた．この成果は国内発表のほかにCVPR2012にて共同開催された国際ワークショップPROCAMS2012にて発表し，Horonable mentionを受賞した．また，電子情報通信学会論文誌にて採録となり，現在掲載待ちである．後半の動き情報の表示技術の検討についても予定通り実施したが，研究代表者の異動に伴い研究環境を再構築する必要が生じたために，デモ展示は実施できなかった．
平成25年度は，前年度の後半に予定通り着手した動き情報の表示の研究を進めて行く．前年度には画像ノイズに対する耐性が高く，より多くのフレームの多重化が可能な方法を考案し，シミュレーションにより検証したが，デジタル画像の色空間と撮像装置の色空間を整合させて撮像画像から印刷された画像の正しい色彩を復元する問題は，プリンタの色空間に強い非線形性があることから，環境照明の強度変化を考慮すると容易でないことが明らかになった．そこで，本年度はまずこの問題を解決する．また，昨年度実施できなかったデモ展示を8月末に開催されるイノベーション・ジャパン2013に応募し展示を試みる．その後は計画に従って研究を実施し，計画していた内容を完了させる予定である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に予定していたデモ展示は，研究代表者が平成２４年１０月１日付で山形大学から和歌山大学へ異動したことに伴い，研究環境を再構築する必要が生じた．そのため，時間的な余裕が無く，また装置の準備も整っていなかったためにデモ展示については実施することができなかった．しかし，国際ワークショップで受賞するなど，顕著な成果が得られている．また，研究項目については計画通り実施できていることから当初の計画通りに進展しているといえる．
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究課題後半の印刷媒体上での動き情報の表示技術では，研究計画当初に比較的容易に実現できると予想していた撮像画像から印刷された画像の正しい色彩を復元は，プリンタの色空間に強い非線形性があることなどから容易では無いことが分かった．この問題に対して，本年度の前半に処理方法と使用機材の両方から解決を試みる．
まず，処理方法については，ブラックボックス化された非線形写像をキャリブレーションにより求めるのではなく，プリンタのICCカラープロファイルなどを利用して，標準的な色空間を仲介させることで，汎用性の高い補償方法を考案する．使用機材については，正しい色彩を計測することができる3CCDカメラと色彩計を購入して色空間の対応を厳密に求めることで問題を解決する．その後，昨年度考案した符号化方法を実装し，実機で検証を行う予定である．
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究代表者の所属機関異動に伴い機材購入が遅れたために残額が生じた．
具体的には本研究の2つ目の課題である，「印刷媒体での動き情報の表示技術」を実装するための計算機やカメラの購入が遅れたことが主な原因である．
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