2011 Fiscal Year Research-status Report
複数AR端末の協調三次元センシングに基づくコミュニケーション支援情報の提示
Project/Area Number |
23700147
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
池田 聖 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40432596)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 拡張現実感 / 3次元復元 |
Research Abstract |
本研究では,複数のAR情報端末を介して実環境に関する情報を共有するために,実環境を3次元復元し様々な手がかりに基づき復元結果を可能な限り意味的に細分化することが目的であった.これに対し平成23年度は,研究計画通り屋内環境の規模を対象として定性的および客観定量評価を中心に(1)復元形状の高精細化と(2)領域分割の高精度化に着手した.まず,復元形状の高精細化(1)のために,表明曲率の大きい箇所,テクスチャが変化する箇所,オクルージョンエッジが生じる箇所のみに探索範囲を限定することで,計算量の増加を回避しつつ高精細化可能な手法を開発した.表面曲率およびおルージョンエッジは,予め疎に復元された3次元位置を持つ特徴点の集合から表面形状を概算し,これを基に大まかに該当領域を算出する方法を試した.テスクチャが変化する箇所に関しては,概算された表面形状にテクスチャを貼り付け平行化した画像上で,予め設定したテクスチャの検出により,テクスチャを分類できることを確認した.なお開発したテクスチャの検出及び分類技術は,衣服の模様を携帯情報端末により検出し音声等で知らせることにより視覚障害者を支援するシステムへ応用し,研究成果に挙げるように雑誌論文として発表した.また,領域分割の高精度化に対しても同様の方法で特徴量を算出し手がかりとする手法を開発した.ただし,両アプローチに関して,利用者の注視点箇所を手がかりとする試みは技術的な問題のため,実施しなかった.具体的には,利用者の動作を観測するために必要な利用者側のカメラのキャリブレーションが予想以上に難しく必要な精度が得られなかった事が理由である.以上の成果は,これまで汎用的な目的で実時間3次元復元する技術のみが考えられてきたのに対し,AR端末による情報共有という目的に特化することで,更に復元精度を向上することが可能であることを具体的に示すものである.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果に挙げたように,本来の目的である三次元復元された物体の領域分割する際に必要なテクスチャの解析技術に進展があり,論文発表もできたという点では,着実に進展している.ただし,所属組織の異動によりジオラマの購入やレーザレンジファインダの使用を見合わせたため,予定していた客観評価や被験者による評価が不十分になったため,十分に定量的に改善を示すに至っていない.以上の理由からやや遅れていると区分した.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の研究計画に基づき環境が写る画像に加えて,端末間の無線通信による特徴点や表面形状,高精細化の優先度情報などを共有する手法,GPSや慣性センサ等の内部センサを利用して3次元復元の高制度化する手法,利用者側の両方にカメラが付いた情報端末を用いて環境だけでなく利用者の目の位置をセンシングすることにより,実シーンと利用者視点から見える見た目のディスプレイ上の画像を近づけることにより,より利用者に見やすい形で共有情報を提示する手法を試す.実験では,市販のモバイル端末による実装も試み,適当な作業を設定し効率や正確さを比較することで開発した手法の有効性を示す被験者実験を実施する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究の推進の方策および当初計画に基づき研究費を使用する.情報端末は,指差し動作をセンシングするために,ディスプレイにタッチパネル機能を有し,環境をセンシングするために環境側にカメラが付属するものが必要である.次年度では,研究計画書での述べた試作システムとは異なり,端末側で主な計算を行うことを想定する.環境側及びユーザ側の両側にビデオカメラを備え,高速な画像認識処理および画像描画処理が可能な最新の複数の最新AR情報端末を準備し,開発技術の実装を試みる.また,多人数での利用が可能なことを示すためには,このような端末が3つ程度必要であり,被験者による評価における謝金にも研究費を使用する.また,研究成果発表のために,国内国外の発表旅費を使用する予定である.
|
Research Products
(3 results)