2011 Fiscal Year Research-status Report
画像処理と3次元モデルを併用したカメラ位置認識手法によるヒューマンインタフェース
Project/Area Number |
23700149
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
神代 充 岡山県立大学, 情報工学部, 教授 (30314967)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 画像処理 / 拡張現実感 |
Research Abstract |
本研究課題では,屋内環境を対象として,人工マーカやGPSなどを用いることなく,カメラの位置と方向を3次元により認識するカメラ位置認識手法を開発する.このカメラ位置認識手法では,屋内環境と同一形状を有する3次元モデルとカメラからの入力画像とを比較することで実環境でのカメラの位置と方向を推定するものである.さらに,推定されたカメラの位置と方向に基づいて,入力画像に3次元のCGオブジェクトを重畳合成するマーカレスAR技術によるヒューマンインタフェースシステムを開発する. 平成23年度では,3次元モデルとカメラからの入力画像とを併用したカメラ位置認識手法の開発を行った.この手法では,3次元モデルとカメラからの入力画像との比較に用いる特徴量にドアや窓などの四隅部分を用い,3次元モデルの特徴量と一致する入力画像の特徴量を局所的に探索することで処理の高速化を図っている.開発したカメラ位置認識手法により推定したカメラの位置と方向に基づいてカメラの入力画像にCGオブジェクトを重畳合成する実験を行った.その結果,入力画像に合わせたCGオブジェクトを重畳合成することが可能であり,その有効性を確認した.また,屋内環境の3次元モデルを画像処理と距離画像センサを併用して作成する手法についても開発を行っている.この手法では,カメラの入力画像と距離画像を併用することでカメラからの入力画像を距離画像により計測された実環境の3次元情報に合わせてテクスチャとしてマッピングすることで屋内環境の3次元モデルを作成する.また,この手法を用いて屋内環境の3次元モデルの生成実験を行った結果,屋内環境の3次元モデルを作成することが可能であり,その有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度の研究目標としては,屋内環境の3次元モデルとカメラからの入力画像との比較に用いる特徴量を決定し,それらからカメラの位置と方向を推定するカメラ位置認識手法を開発することである.そのため,平成23年度では3次元モデルとカメラからの入力画像との比較に用いる特徴量にはドアや窓などの四隅部分と決定し,これらの特徴量を入力画像から抽出する手法を開発した.さらに,抽出された特徴量を3次元モデルと比較し,3次元モデル内での視点位置を求めることで,実環境でのカメラの位置と方向を推定するカメラ位置認識手法を開発した.さらに,この開発したカメラ位置認識手法により推定されたカメラの位置と方向に基づいてカメラの入力画像に3次元CGオブジェクトを重畳合成することが可能であり,入力画像からの特徴量の抽出手法やカメラ位置認識手法の有効性を確認した.そのため,平成23年度では研究目標を達成しているといえる. また,当初の研究計画には無かった屋内環境の3次元モデルを画像処理と距離画像センサを併用して作成する手法についても開発を進めている.この手法により,屋内環境の3次元モデルの生成が容易となり,マーカレスAR技術によるヒューマンインタフェースシステムの実用化を促進できると期待される.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画として,これまでに開発を行ったカメラ位置認識手法を改良し,カメラの位置や方向の変化に対する安定性を向上させるとともに,カメラの位置と方向の推定精度の向上を図る.そして,このカメラ位置認識手法により推定されたカメラの位置と方向に基づいてカメラからの入力画像にCGオブジェクトを重畳合成するマーカレスAR技術によるヒューマンインタフェースシステムを構築する.そして,屋内環境においてカメラを自由に移動し,周囲を見渡した場合においても実環境に合わせた情報をカメラの入力画像に重畳合成することで,使用者に提供することを可能にする.さらに,屋内環境の3次元モデルを画像処理と距離画像センサを併用して作成する手法についても精度の向上を図る.そして,この手法により生成される3次元モデルを用いてカメラ位置認識手法によりカメラの位置と方向を推定できるように2つの手法の統合を図っていく. 平成23年度の研究成果の発表と資料収集のために国際会議に参加する.さらに,研究協力者である大学院生2名により開発したカメラ位置認識手法および屋内環境の3次元モデルを生成する手法を国際会議で発表する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
学会参加費(3名分):100,000円旅費 :600,000円ポルトガル(リスボン) 7泊8日東京3泊4日(大学院生:香山沙織、森若直也)
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