2011 Fiscal Year Research-status Report
機械学習による超高次元データの統計的マッチングとマイクロアレイ解析への応用
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23700165
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹内 一郎 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40335146)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | マイクロアレイ / 多変量検定 / サポートベクトルマシン |
Research Abstract |
平成23年度は主に検定統計量の構築に関する理論的・実験的考察を行った。マイクロアレイデータのための多変量検定統計量として、(1)最近傍分類誤差に基づくもの、(2)サポートベクトルマシン分類器の分類誤差に基づくもの、(3)サポートベクトルマシン分類器の平均マージンに基づくものを検討した。帰無分布の検定統計量の計算には、ラベル並べ替え検定を用いることを検討した。(1)においては、ラベルを並べ替えたときも最近傍点が変わらないことを用いるとラベル並べ替え演算を効率的に行えることがわかった。(2)および(3)においては、ラベルを並べ変えるたびにサポートベクトルマシンを計算しなくてはならないため、ナイーブな実装では計算コストが大きく実用的ではないことが判明した。ラベル並べ替えを行ったデータに対するサポートベクトルマシンの学習を高速化するため、パラメトリック計画法を用いたアルゴリズムの構築を行った。このアルゴリズムでは、問題パラメータ(本件の場合はラベル)をある値に変更させる際に、その問題パラメータを連続的に動かしながら最適解の変化を追跡するものである。このパラメトリック計画アルゴリズムを実装し、ワークステーションにて実験を行ったところ、従来のアプローチに比べ、5倍程度に高速化されることがわかった。(2)と(3)の検出力を実験的比較したところ、若干(3)の性能が上回った。本成果を国際会議にて発表するとともに、関連分野の研究者との議論や情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は主に検定統計量の構築に関する理論的・実験的考察を行う予定であった。上述の成果報告の通り、3つの検定統計量に関する理論的検討、実装、実験を行うことができており、ほぼ計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、帰無分布の推定に関する理論的、実験的検討を主に行う。研究実績の概要で述べたように、現状ではラベル並べ換え演算を用いている。本年度は、マイクロアレイ発現量の確率分布のモデル化を行ってその場合の理論的帰無分布を導出し、ラベル並べ換えに基づいて推定したものとの実験的比較を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は、帰無分布の推定性能に対するシミュレーション実験を行うため、ワークステーションを購入する。また、研究成果の公表や関連分野の研究者とのディスカッションのための旅費を当初の予定通り計上する。
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Research Products
(2 results)