2012 Fiscal Year Research-status Report
マルチモデルに基づく都市シミュレーションプラットフォーム
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23700171
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 悠 京都大学, 情報学研究科, 研究員 (50554979)
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Keywords | マルチエージェントシミュレーション / シミュレーション基盤 / 参加型シミュレーション / ゲーミング / エージェント技術 / 都市シミュレーション |
Research Abstract |
マルチエージェントシミュレーション(Multi-agent based simulation : MABS)は人々の行動が創り出す複雑な社会現象の再現および分析に用いられている.都市における人々の活動は多様であり,対象とする領域の面,対象とする行動の抽象度の面で異なる多くのシ ミュレーションが実施されている.例えば,交通,防災,社会科学など様々な分野で適用されてきている. 前年度は,問題領域は異なるが同じ地理データに強く結びついた交通と電力という二つのシミュレータの統合に取り組んだ.今年度は,社会学的なモデルや経済学的なモデルを組み合わせることを想定したシミュレーション基盤の提案とプロトタイプの実装を行った.このシミュレーション基盤は,実験したいインタラクションを含む問題を,社会学や経済学などの応用問題のドメイン知識を有する人々自らが記述できるゲーミング環境である.これにより,これまで情報科学の専門家やプログラマが存在しなければ構築することができなかったゲーミング環境の開放性を高め,多様な問題群を扱う研究者やフィールドワーカーが容易に問題を模擬するゲーミング環境を構成して,現場の問題を考察・評価できることを目指した.本環境で作成されるゲーミングシミュレーションは,これまで一般的なビジネスゲームなどのゲーミングで扱うことが難しかった社会的な相互依存関係を主たる対象とするものである. 本年度の取り組みにより,都市における人々の物理的な行動だけでなく,経済的な活動や社会的な活動も扱えるようなシミュレーションの研究を推進する足がかりが出来た.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は統合対象としての経済学モデルや社会学的なインタラクションモデルを扱えるようなシミュレーション基盤を提案しプロトタイプの実装をした.この成果と平成23年度に行った都市における人々の物理的な行動に関するシミュレータ基盤を前提とすることで,最終年度である平成25年度は,都市における人々の物理的な行動だけでなく,経済的な活動や社会的な活動も扱えるようなシミュレーションについての研究が可能である.
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Strategy for Future Research Activity |
都市における人々の物理的な行動だけでなく,経済的な活動や社会的な活動も扱えるようなシミュレーションの研究をする.都市における人間の物理的な活動と購買活動のような経済的な活動や情報の伝達のような社会的な活動は強い関連があると考えられる.最終年度は,これまでに達成した,物理的な複数の活動を扱うシミュレータの連携,社会的な活動や経済的な複数の活動を扱うシミュレータの評価や実用を進めつつ,さらに物理的な活動や社会的な活動を連携させる研究を推進していく.また,マルチエージェントシミュレーションでは観測データやログデータからモデルを獲得するモデリング技術が重要となるため,モデリングとシミュレーションを連携させる技術についても検討を計画したい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の評価を進めるため,研究成果であるシミュレーションプラットフォームを動作させ,シミュレーション実行結果のログを保存するための計算機資源の購入に研究費を使用する.また,人間をシミュレーションやゲームに参加させることでモデルの獲得や問題解決の模擬をさせるため,携帯端末やノートPCの購入費,実験実施に関する謝金としての使用を計画している.また,研究成果の公開を促進するため,学会発表や外部研究者との会議に関する旅費を計上している.
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