2013 Fiscal Year Annual Research Report
マルチモデルに基づく都市シミュレーションプラットフォーム
Project/Area Number |
23700171
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中島 悠 東邦大学, 理学部, 講師 (50554979)
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Keywords | マルチエージェントシミュレーション / シミュレーション基盤 / 参加型シミュレーション / ゲーミング / エージェント技術 / 都市シミュレーション |
Research Abstract |
マルチエージェントシミュレーション(Multi-agent based simulation : MABS)は人々の行動が創り出す複雑な社会現象の再現および分析に用いられている.都市における人々の活動は多様であり,対象とする領域の面,対象とする行動の抽象度の面で異なる多くのシ ミュレーションが実施されている.例えば,交通,防災,社会科学など様々な分野で適用されてきている.これらが対象としている現象は相互に関係があるが,シミュレータとしては相互に補完しあうような枠組みがないのが現状である.本研究では,シミュレータという実行可能な形で蓄積されてきた諸分野の知見を統合することを目標として,異質なモデルを持つ複数のシミュレーションの統合基盤の開発に取り組んだ. はじめに,都市交通と都市電力を問題の領域に選び,問題領域が異なる複数の異質なシミュレータを統合する手法を提案し,シミュレーション基盤として実装した.この基盤では,複数のシミュレータをそれぞれ独立したシステムとして扱い,イベントを基本とした統合をすることで,シミュレータ間のインタラクションを簡潔にし,各シミュレータの独立性を維持した. 都市交通と都市電力は対象としている現象は異なるが,両者とも地理的な要素に強く結びついる領域である.そこで,つづく取り組みでは,都市交通や都市電力という地理的な要素と強く結びついているモデルからは離れて,社会学的なモデルや経済学的なモデルを都市シミュレーションに組み込むことを想定し,それらのモデルを扱える参加型シミュレーションの実行基盤を提案し,開発した.この基盤には,インタラクションを主体とした参加型シミュレーションを記述するための簡易なシナリオ記法を組み込んだ.
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