2012 Fiscal Year Annual Research Report
カオスニューラルネットワークを用いた太陽光発電最適動作点追尾アルゴリズムの開発
Project/Area Number |
23700180
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Research Institution | Nippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 貴幸 日本工業大学, 工学部, 助教 (80579607)
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Keywords | 最適動作点追尾制御法 / カオスダイナミクス / 組合わせ最適化 |
Research Abstract |
近年,太陽光発電などの再生可能エネルギーを用いた発電システムの導入が盛んである.これらの発電システムは,天候などの気象条件に左右され発電量が不安定となる.そこで本研究では,安定した電力量を供給するために,太陽光発電における効率的な最適動作点追尾アルゴリズムの開発を行った.太陽光パネル上に部分影が発生し,その最大電力点が複数存在する場合において,まず,従来法であるPerturbation & Observation法とIncremental Conductance法の最適動作点追尾法について,数値実験による評価を行った.数値実験の結果から,従来法では,最適動作点への収束速度が遅くかつ最適動作点上での動作が難しいという問題を明らかにした.そこで,最大電力点への早い収束速度と高い収束精度を同時に満たす2段階最適動作点追尾制御手法を提案し,数値実験を用いて手法の評価を行なった.数値実験の結果から,提案手法は最適動作点への収束精度が早くかつ良好な収束精度を示すことを確認した.さらに,太陽光発電と風力発電から構成される電力グリッドに対して,相互結合型ニューラルネットワークを用いた最適電力供給制御手法の提案を行い,数値実験により手法の有効性を確認した.これらの研究成果として,今年度は原著論文1本,国際会議論文6本,国内の研究会講演3本で研究結果を公表した.最適動作点追尾制御手法や電力グリッドに対する最適電力供給手法などの最適化問題に対して,ソフトコンピューティング手法を用いた制御手法の適用は珍しく,これら結果は,非線形電源を有する電力システムでの最適化において,ニューラルネットワークなどの最適化手法が有効であることを示唆する重要な知見である.
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Research Products
(11 results)