2011 Fiscal Year Research-status Report
固有直交分解を用いたパレート最適解群からの設計知識抽出法の確立と実証
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23700186
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
大山 聖 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (10373440)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | なし |
Research Abstract |
固有直交分解を用いたパレート最適解群が持つ大規模データからの設計知識抽出手法(MAPOD, Mode Analysis of Pareto-Optimal Designs)を発展させ,実問題での有効性を示すことを研究目的として研究を進めている.初年度は「3つ以上の目的関数を持つ設計最適化問題への適用方法」の開発と実問題での実証に取り組む計画であったが,ほぼ当初予定通り目的を達成した.具体的には,3つの目的関数を持つ設計最適化問題の分析について,2次元プロットに固有ベクトル成分値を色で表示させることでMAPODが3つ以上の目的関数を持つ設計最適化問題の理解にも役に立つことを確認した.また,太陽観測衛星の多目的軌道設計最適化問題で得られたパレート最適解群からの設計知識抽出を試み,開発された手法が実問題でも有効であることを確認した.現在はDESTINYと呼ばれる別のミッションの最適化結果からも設計に役立つ知見が抽出できるか実証を行っているところである.4目的以上の設計最適化問題ではパレート最適解群を自己組織化マップで2次元マップに射影し,固有ベクトル成分を色情報を用いて可視化することで分析が可能であることを確認した.これらの成果により,MAPODが幅広い分野で設計知見の抽出に役立ち,設計プロセスの革新につながっていくと考えられる.また,次年度に実施する予定の「パレート最適解群が3次元ベクトルデータや4次元ベクトルデータを持つ多目的設計最適化問題への適用方法の開発」についても予備検討を開始している.研究成果の対外発表に関しても,学術雑誌2件,国際会議3件,国内会議3件と積極的に研究成果の発表を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通り,申請者によって開発された固有直交分解を用いたパレート最適解群が持つ大規模データからの設計知識抽出手法(MAPOD, Mode Analysis of Pareto-Optimal Designs)を3つ以上の目的関数を持つ設計最適化問題へ適用する方法を開発した.また,太陽観測衛星の多目的軌道設計最適化問題で得られたパレート最適解群からの設計知識抽出を試み,開発された手法が有効であることを確認した
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,「パレート最適解群が3次元ベクトルデータや4次元ベクトルデータを持つ多目的設計最適化問題への適用方法」を開発する.3次元ベクトルデータからの設計知識の抽出は既存の流れ場データの可視化手法を用いれば比較的簡単に実現できると考えられる.4次元ベクトルデータの分析は非定常流れ場の周波数分解手法やモード解析手法などを応用すれば可能ではないかと考えている.申請者らが過去に行ったロケットエンジン用ターボポンプの多目的設計最適化により得られたパレート最適解群の3次元定常流れ場データ(3次元ベクトルデータ)および3次元非定常流れ場データ(4次元ベクトルデータ)などを実証のためのデータとして用いることを考えている.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の発表や最新の研究動向を把握するために国内旅費・海外旅費が合計80万円程度必要である.また,学会参加費・学術雑誌論文投稿料として40万円程度が必要になる.このほか,計算機周辺消耗品に約40万円を利用する予定である.
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