2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23700188
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 康一 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (70400299)
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Keywords | 画像,文章,音声等認識 / ディジタル信号処理 / 画像照合 / 位相限定相関法 / 個人認証 |
Research Abstract |
平成24年度は,環境変化にロバストな認証アルゴリズムの開発および性能評価を行うとともに,双方を実装したプロトタイプシステムを開発し,認証性能・利便性・実用性を評価した.前年度に開発した掌紋領域抽出アルゴリズムを用いて手のひらが写っている画像から掌紋領域を抽出する.非接触で手のひらを撮影した場合は,拡大縮小・回転・平行移動を正規化して掌紋領域を抽出したとしても,手の傾きから生じる領域全体の射影変形や指の動きから生じる非線形なひずみが含まれている.正確に個人を認証するために,位相限定相関法を用いた局所画像ブロックマッチングと画像ピラミッドによる階層探索を組み合わせた高精度な対応付け手法に基づいた認証アルゴリズムを開発した.ひずんだ画像は,局所的なブロックがそれぞれ異なる方向に平行移動していると近似することができるため,画像間を正確に対応付けることができれば,ひずみによらず高精度にマッチングすることができる.また,各ブロック間をマッチングしたときに得られる位相限定相関関数を平均化することで,PNR (Peak to Noise Ratio) を改善することができるため,平均位相限定相関関数のピーク値を照合スコアとして利用することができる.前年度に構築した画像データベースを用いて上記アルゴリズムの認証性能を評価し,世界最高水準の性能を有することを実証した.さらに,システムの安全性を向上させるために,局所ブロック画像の位相情報を登録データとして利用することも検討した.このとき,位相情報のうち低周波数領域から50%程度が認証に重要な情報であること,位相情報に対称性があること,位相情報を量子化しても認証性能があまり落ちないことを利用した.量子化した位相情報であれば,元の掌紋画像に復元することは不可能であり,認証性能を低下させずに,システムの安全性を向上できることを実験的に確認した.
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