2012 Fiscal Year Annual Research Report
多様体学習を用いた雑音を含む医用画像中の病変テクスチャ識別処理の開発
Project/Area Number |
23700190
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根本 充貴 東京大学, 医学部附属病院, 研究員 (10451808)
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Keywords | 多様体学習 / 医用画像理解 / テクスチャ解析 / すりガラス状結節 |
Research Abstract |
本研究の目的は,医用画像から病変を自動検出する上で重要な画素単位の解析手法,とりわけ多様体学習を用いた高精度な病変画素の解析方法の開発である.例題は,昨年から引き続き胸部CTにおけるすりガラス状(GGO:Ground Glass Opacity)結節の自動検出問題とした. CTの撮像の際は,被撮像者の被ばくを考慮して低線量で撮像されることが多い.低線量で撮像されたCTは多くの雑音を含んでおり,画像から得られるテクスチャ特徴量や,低次元多様体の学習への悪影響を懸念していたが,23年度の研究成果およびそれをもとにした検討から,その影響が限定的であり,既存の多様体学習法でもGGO結節領域内部の画素(以降,GGO画素とのみ記述)と非GGO画素の識別に有用な低次元多様体が得られることが分かった. よって24年度は,多様体を用いたGGO画素の解析法について実験的に検討した.低次元多様体に任意の特徴量ベクトルを投影した際に損失される情報,すなわち残差が,GGO画素の解析に有用な指標になることを国内の学会で報告した.ここでは,Isomapで学習した低次元多様体を用いることとし,その学習データにはGGO画素で算出される特徴量ベクトルのみを用いた.GGO画素による多様体を用いて算出される残差ベクトルのノルムを用いた1クラス識別の結果と,線形および非線形の2クラス識別(GGO画素-非GGO画素)の結果を比較したところ,識別の傾向に大きな違いがあることが分かった.それを踏まえて両者を相補的に用いた画素識別法を適用したところ,より高精度なGGO画素識別結果,およびGGO結節候補領域の抽出結果が得られた.
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