2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700199
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
福井 真二 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80345941)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | Shape from Shading / 点光源 / 透視投影 / ポリープ領域抽出 / 内視鏡画像 |
Research Abstract |
平成23年度当初は,過去提案した手法を拡張して非Lambert面物体に対応するべく研究を進めようとしていた。その手法は単調凸物体を対象としており,凹凸のある物体を対象としていなかった。そのため,非Lambert面物体へ拡張する前に凹凸のある物体への対応を検討することとして研究を進めてきた。点光源,透視投影の環境下におけるLambert面物体の各点の明るさを求めるモデル式を変形し,かつ,ある点の法線ベクトル及びZ値を求めるために,隣接する1点の情報だけでなく3点以上の点の情報を使用して最適化によりそれらの値を求めるように改良を加えた。これにより,シミュレーション環境においては凹凸のある物体に対して形状を復元することが可能となった。また,内視鏡画像は動画像としてえられるため,1枚の濃淡画像からだけではなく,2枚の濃淡画像から形状復元をする手法の研究も行った。Light Fall-off Stereoを拡張し,より現実に近い環境を仮定して2枚の濃淡画像からより精度の高い形状復元を行う手法を開発することを目標に研究を行った。それらと並行して,形状復元と同時に画像中の色情報から直接ポリープ領域の自動抽出手法に関する研究も行った。ヘシアンフィルタを用いることで,ポリープ領域を抽出する手法を開発した。更に,内視鏡画像を動画像として扱うことを目的に,動画像処理についての研究も行った。特徴量の検討や,移動物体追跡手法の改良に関しての研究を行った。以上の成果は,国内シンポジウム及びワークショップ,研究会等で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
平成23年度に計画していた,非Lambert物体への拡張に関しては,その問題に着手する前に凹凸物体の形状復元手法を確立した方がよいと判断し,そちらの課題を優先した。1枚の濃淡画像から凹凸のある物体の形状復元は簡単な問題ではなく,未だ実画像を用いて高精度に形状復元を行うことができていない。そのため,非Lambert物体への拡張に関する研究には未だ着手できていない状況である。平成24年度から本格的に研究する予定であった,色情報を用いたポリープ領域の自動検出についてはある程度進展が見られたものの,研究課題をトータルで考えると,現状の達成度は遅れていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は平成23年度に引き続き,Lambert面凹凸物体の3次元形状復元手法に関する研究を行い,その後,非Lambert面凹凸物体及び複数反射率を持つ非Lambert面凹凸物体の形状復元手法の開発に着手する予定である。Lambert面凹凸物体の3次元形状復元手法に関しては,精度向上及び実画像を用いた評価実験を行うことを予定している。それと同時に,非LambertからLambertに変換する手法及び非Lambert面物体の3次元形状復元手法に関する調査を行い,点光源,透視投影の環境下で撮影された非Lambert面凹凸物体に適用可能な手法の開発に着手する。非Lambert面から鏡面反射成分を除去し,拡散反射成分のみの画像を作成する手法がいくつか提案されているが,それらはLambertに変換することまではしていない。Lambertへ変換することが可能であれば,現在開発中の手法をそのまま適用可能である。Lambertへの変換が困難である場合には,非Lambert面物体の3次元形状復元手法を考案することも考える。現在,研究協力者と綿密にミーティングを行っており,適切な助言と協力が得られるような体制を整えている。そのため,問題が発生した場合にも解決に向けて異なるアプローチから別の手法を導入することなどができると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
提案手法の有効性を確認するために,実際の内視鏡から得られた画像を用いた評価実験をする必要がある。そのため,内視鏡を購入する予定にしている。内視鏡画像からポリープの検出をすることが研究の目的であり,医療用内視鏡を購入することが望ましいが,非常に高価であるため,工業用内視鏡を購入することを考えている。また,研究成果を国際会議及び国内シンポジウム等で発表するため,旅費及び参加費にも研究費を利用することを予定している。残りの研究費については,研究を遂行する上で必要なPC用消耗品等で使用する予定である。
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