2011 Fiscal Year Research-status Report
ビデオ画像からの自動背景推定に基づく注目物体の領域分割技術の開発
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23700202
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
菅谷 保之 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00335580)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際情報交流 |
Research Abstract |
平成23年度は、ビデオ画像からの特徴点追跡に基づく運動物体の分離手法を利用した前景領域およびトリマップ推定手法の開発に取組む計画であった。まずビデオ画像からの特徴点追跡については既存手法を用いて特徴点の追跡を行い、追跡結果に含まれる誤追跡を研究代表者が以前に提案した手法により除去した。さらに追跡した特徴点の中から背景上の点のみを選別し、ビデオ画像の各フレーム間の対応から射影変換行列を計算することによって前景を除去した背景パノラマ画像を作成した。その際の背景色の選別について、同一点の色の分布からそれらをEMアルゴリズムによって統計的に最適に分類する手法を提案した。従来の背景色の選別では、色分布のヒストグラムが前景と背景の二つのグループに分かれることを前提としてヒストグラムを二つのグループに分けて背景色を選別していた。しかし、前景と背景の色が非常に似ている場合、二つのグループが重なりを多く含むようなヒストグラムとなり、背景色の選別が困難であるという問題があった。しかし、提案手法のように各点をRGBの情報を持つ3次元空間の点として扱い、それらをEMアルゴリズムで最適に二つのクラスタに分類することによって従来手法の問題点を解決した。このようにして作成した背景パノラマ画像とビデオ画像の各フレームとの差からまず前景領域を荒く抽出し、それを入力としてグラフカット手法を領域分割に応用したグラブカットを適用することによって、前景領域の精度を向上させた。さらにそれをもとにしてトリマップを自動生成した。提案手法を実際のビデオ画像に適用してユーザーによる手作業による入力なしに自動的に前景領域を抽出可能なことを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度は、ビデオ画像からの特徴点追跡に基づく運動物体の分離手法を利用した前景領域およびトリマップ推定手法の開発を計画した。具体的には、1.過去の研究成果を改良した背景パノラマ画像の生成。2.背景パノラマ画像と入力画像との差分からの注目領域推定とトリマップ作成。3.提案手法の有効性を実ビデオ画像を用いた検証。を計画として立案した。1.については過去の手法を用いるだけではなく、新たにEMアルゴリズムを用いたクラスタリング手法を提案することで、従来手法では問題となった前景と背景の色が似ている場合でも精度を向上させることができた。2.については1.によって生成した背景パノラマ画像と各フレームとの差分から初期抽出を行い、それをグラブカットと呼ばれるグラフカット技術を画像の領域分割に応用した手法を用いて更に洗練することによって抽出精度を向上させ、それを入力として自動的にトリマップを生成することを可能とした。そして、実際のビデオ画像に提案手法を適用して精度を確認し、提案手法が有効であることを確認した。従って、平成23年度の計画として挙げた三つの項目に対して100%以上の成果をあげることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の成果は当初計画した内容を十分に(さらに発展させた成果も)達成しており、問題なく進行している。今年度以降の計画についても特に変更する必要はなく、当初の研究計画にそって更なる発展を達成できるように取り組む予定である。具体的には、更なる精度向上に関する研究に関して、「隣接するフレームの特徴点対応によるトリマップ作成手法」と「隣接するフレームの領域対応によるトリマップ作成手法」を検討する。また、処理速度を向上させる研究についても並行して進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度には前年度の成果をシステム化するために特に高速なビデオ処理が可能なビデオカードを備えたコンピュータを購入する予定である。また平成25年度に計画している応用システム作成の前準備としてモバイルタイプのディスプレイを購入する。その他には研究資料の収集や研究成果の発表のための出張費用として使用する。
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Research Products
(7 results)