2011 Fiscal Year Research-status Report
時空間的制約による誤り検出・訂正を備えた時系列3次元形状・多視点領域の同時推定
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23700204
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
延原 章平 京都大学, 情報学研究科, 講師 (00423020)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 3次元形状復元 / 多視点画像 / 対象領域抽出 |
Research Abstract |
今年度は研究計画のとおり「時間的・空間的無矛盾性を利用した疎な時系列3次元対象形状推定」に取り組み,その基礎的なアルゴリズムの構築と,実証のためのソフトウェア開発を行うことができた.具体的には「空間的に異なる視点間での対応付けに比べて,同一視点における異なる時刻間の対応付け(追跡)は見えの変化が少ないために容易であること」に着目したアルゴリズムを考案した.これはまず各時刻独立に空間的制約(エピポーラ幾何拘束)に基づいた疎な3次元形状を作成し,次いで得られた疎な形状群の各視点における投影位置を計算する.そして各視点独立に,それらの投影位置間の時間方向における対応付けを構築するというものである.これはある2時刻間に着目すると,疎な3次元形状を構成する微小平面を要素とした集合間の対応付け問題を解いたこととなっている.具体的には対応付けの良さとしてテクスチャの一致度と運動の無矛盾性を考慮するとともに,近接要素間での対応付けの一貫性を正則化項として導入した組み合わせ最適化問題へと変換することで大域最適解を得ている.なおこうして本年度に開発したアルゴリズムは,研究目標である「空間的・時間的制約に基づく誤り検出・訂正を備えた時系列対象3次元形状・多視点対象領域の同時推定アルゴリズム」の初期解推定法として機能し,次年度の目標達成の上で不可欠のものとなっており,本研究が目指す全周立体映像の実現によるより臨場感の高い次世代映像メディアの実現に資すると思われる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は計画書に記載したとおり「時間的・空間的無矛盾性を利用した疎な時系列3次元対象形状推定」に取り組み,その基礎的なアルゴリズムの構築と,実証のためのソフトウェア開発を行うことができた.したがって「おおむね順調に進展している」と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画書に記載したとおり,今年度に構築した「時間的・空間的無矛盾性を利用した疎な時系列3次元対象形状推定」を土台として,ゴールである「時間的・空間的無矛盾性を利用した時系列3 次元形状・多視点対象領域の同時推定」アルゴリズムの構築に取り組む.具体的には今年度に求めた疎な時系列3次元微小平面集合を入力として,時系列3次元形状と多視点対象領域を同時に推定すために,入力となった疎な時系列3次元微小平面集合に隣接する部分から徐々に領域成長させるアプローチを採る予定である.また本研究では次年度に使用する研究費が発生している.これは主に物品費として計上していた産業用カメラの購入を見合わせたことによるが,その理由は次期高性能カメラが平成24年夏に出荷を予定されていることが判明したこと,およびその時期の購入であっても研究遂行の上で決定的な悪影響は及ぼさないと判断したためである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は物品費として「産業用カメラ25万円×4台=100万円」程度を使用して検証用システムを構築するとともに,研究発表・情報収集用の旅費として「外国旅費80万円+国内旅費30万円+学会参加費など20万円=130万円」程度を見込んでいる.
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