2013 Fiscal Year Research-status Report
物体表面の光沢性を利用した三次元形状計測技術の開発
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23700207
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
満上 育久 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (00467458)
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Keywords | 国際研究者交流 / コンピュータビジョン / 三次元形状復元 |
Research Abstract |
三次元形状復元は,コンピュータビジョンにおける重要な課題の一つである.近年,Structure from Motion (SfM) やMulti-view Stereo (MVS) などの手法については,比較的安定に動作するオープンソースソフトウェアとしても提供されるようになり,これらの技術を誰もが容易に利用できるようになってきている.しかし,これらの手法が適用できるシーンはまだまだ非常に限定的であり,我々の日常生活の中でよく見かけるテクスチャの少ない物体や光沢物体,透明物体などには適用できない.本研究課題は,これらの物体を対象とした新たな三次元形状復元手法の構築を目的とする. 平成24年度までに,対象物体を複数の視点から撮影した画像を用いてそこから疎な三次元点群と鏡面反射ハイライトを獲得し,密な三次元形状復元を行う手法や,その手法のベースとなる特徴点ベースのSfMの安定化・高速化について取り組んできた.平成25年度は,それらの技術をモバイルデバイス上で利用可能にすることが主な目標であった.実現方法としては,モバイルデバイス上でこの処理を実行する方法と,別途サーバを設けモバイルデバイスから撮影画像をサーバに転送し,サーバ側で処理が実行され,得られた三次元モデルをモバイルデバイスに転送する,という2つを検討した.その結果,近年モバイルデバイスでも通信帯域が増大し,またクラウド化が進むことで,撮影画像が即座にクラウドに転送されることが一般的となったこと,また提案手法は計算量が多く電力容量や処理能力に制限のあるモバイルデバイス上で実行することが不向きであることから,後者の方針でシステムを構築することとした.また,近年,Google Glassのような新たなモバイルデバイスも登場してきており,そのような着用型のデバイスも利用可能なようにシステムを設計・開発した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は当初計画どおり,これまでの成果をモバイルデバイスで利用可能とするための技術開発を行った.提案手法はサーバに実装し,モバイルデバイスから画像がサーバに転送され,サーバで推定された三次元モデルをモバイルデバイスに返す,というシステム設計をしており,サーバとしてはこれまでに購入済みのコンピュータを用いた.モバイルデバイスについては,カメラと通信機能を有するデバイスをいくつか購入し,本システムで利用した. 本課題では,我々が日常的に身に着けているデバイスとしてスマートフォンを用いた三次元形状計測技術を提案しているが,近年,スマートフォンのような把持型のデバイスだけではなく,Google Glassに代表されるような常時着用型のデバイスも提案・販売され始めた.今後このような常時着用型のデバイスが普及していくことが予想されるため,本研究課題でもこのようなデバイスを用いたシステムの実装も検討した.ただし,このデバイスの入手に時間を要しており本年度末までに入手できなかった.従って,当初計画としては研究は概ね順調に進展しているが,追加実施しようとしている常時着用型デバイスを用いたシステムとしては完成しておらず,その点においてやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの達成度」で記載したとおり,スマートフォンのような把持型のデバイスだけではなく,Google Glassに代表されるような常時着用型のデバイスを利用したシステムの構築を予定している.現在,このデバイスの入手を待っている状態だが,調達でき次第システムに組み入れ,他のモバイルデバイスとともにシステム全体を評価する予定である.また,最終成果をデモンストレーションや論文等の形で世の中に情報発信する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
常時着用型デバイスを用いたシステムを実現を追加実施しようと計画したが,そのデバイスの入手に時間を要し,本年度内に入手でできなかったため. 平成26年度の第1四半期内に常時着用型デバイスの入手が見込まれているため,入手次第システムを完成させ,評価を行う.
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