2013 Fiscal Year Research-status Report
静脈像にもとづく触覚機能の解明およびタッチインタフェースの開発
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23700213
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
星 貴之 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80537704)
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Keywords | 静脈 / タッチインタフェース / 触覚 / 近赤外光 / 指 |
Research Abstract |
本研究は、指の皮膚内部の静脈を「生体内にあらかじめ配置されたマーカー」とみなし、それを活かして皮膚内部の変形を非侵襲的な観察や、タッチインタフェースとしての応用を目指すものである。 指先を板に押し付けると血流が阻害され静脈像が不鮮明になることが知られている。静脈像の観察が可能な押し付け力の範囲を明らかにするため平成23年度は、静脈を観察するための撮像系の構築と、皮膚表面に与えた変位と皮膚内部(静脈像)に生じる変位の関係を定量的に調べる実験を行った。また平成24年度は、さらに詳細なデータを取得するため(1)非装着型のLEDアレイと拡大レンズを搭載したCMOSイメージセンサからなる撮像系を構築し、(2)撮像を妨げることなく指表面に非接触で刺激を与える集束超音波を用いたシステムを構築した。これらを受けて平成25年度は、撮像した静脈像を処理するソフトウェアの開発を行った。これにより、指表面に加えられた力の大きさと向き(4自由度X, Y, Z, θ)を推定することを目指した。 基礎実験においては静脈像と指先輪郭との相対距離や相対姿勢を、コンピュータ画面を見ながら人手で調べて定量データとしていた。これを自動化し、またロバスト性を高めるため、空間方向と時間方向の情報を利用することを試みた。空間方向については静脈形状のパターンマッチングにもとづいて、また時間方向については動画像の連続フレーム間のオプティカルフローにもとづいて力の向きを推測するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は「タッチインタフェース開発のための基礎実験を行う」ことを目標として掲げていた。内容としては(1)力推定の他に(2)反射型計測法の検討と(3)静脈認証の導入を挙げた。(1)についてはソフトウェア開発を行ったものの、他の2つの試みについては未着手であったため「区分 (3)やや遅れている」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
実施予定の通り「タッチインタフェースのデバイス開発を行う」について取り組む。これまでの成果を整理・統合し、静脈にもとづく皮膚表面にかかる力の推定が自動で安定に動作するよう実装する。一方、ユーザへの負担の少ないハードウェアの開発も行う。現段階では、透過型と反射型のどちらも可能性がある。反射型ではユーザへの負担はないが、透過型の場合は爪に搭載するウェアラブルデバイスをできるだけ小型・軽量化する必要がある。
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