2011 Fiscal Year Research-status Report
生成型学習に基づく構造解析手法の確立とその医用画像処理理解への応用
Project/Area Number |
23700220
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
北坂 孝幸 愛知工業大学, 情報科学部, 准教授 (00362294)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | パターン認識 / 医用画像処理 / 生成型学習 |
Research Abstract |
木構造物体として気管支を対象として,その分岐バリエーションのManifold Learning に基づく効率的記述法を検討し,複数モデルによる認識アルゴリズムを開発した.1.気管支の分岐バリエーションの効率的記述法 気管支領域をそのまま固有空間に写像しただけでは,各枝の分岐パターンは類似しているため,分岐パターンの違いはManifold に反映されない.そこで,分岐点位置と枝の長さの付加情報を加えることを検討した.実際のCT像に対する実験の結果,分岐位置の推定精度は約56%であり,付加情報なしの場合に比べて約9%向上した.しかし,まだ十分な精度とは言えず,より良い付加情報について検討する必要がある.2.生成型学習に基づく認識アルゴリズムについて 生成型学習で得られるモデルを利用した臓器・疾病認識アルゴリズムを検討した.複数の臓器モデルを用意し,腹部領域における臓器認識アルゴリズムを開発した.CT像100例に対する実験の結果,単一のアトラスに比べて認識精度が向上することを確認した.3.画像データ収集と気管支木構造正解データおよび肝がん正解データの作成 名大医学部で撮影された画像データを収集した.収集したデータは,動脈相と静脈相のCT像を一組とした.胸部は新たに47例,腹部は116組を収集した.また,手法を評価するための正解データを作成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
気管支の分岐バリエーションの効率的記述法に関して,付加情報として分岐位置と枝の長さ情報を検討したが,大きな精度改善は達成できなかった.その原因として,分岐角度は特に個人差が大きく,それを十分に反映するmanifoldを作成できなかったことが挙げられる.また,現在のバリエーション記述法では,分岐の数の違いを陽にmanifoldに組み込むことができないことも一因だと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
気管支の分岐バリエーションの効率的記述法に関して,本年度は付加する情報として分岐位置と枝の長さという基本的な情報をまず検討したが,分岐の数を陽に扱えるmanifold learningの方法論を検討する予定である.生成型学習に基づく認識アルゴリズムに関して,本年度は3種類のモデルを追加して精度向上を確認した.今後はさらにモデルを追加して検討する予定である.その際は,大量のサンプルデータが必要になる.本年度収集した116例に加えてさらにデータを収集する.また,本年度得られた疾病データ(肺結節,リンパ節および肝結節)の効率的記述法についてさらに検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,備品費としておよそ60万円(画像データ蓄積サーバ),旅費として40万円,消耗品費として15万円,謝金として5万円の計120万円を使用する予定である.今後さらなる画像データの蓄積が見込まれ,その処理結果や中間画像の保存用にストレージサーバは必須である.国際会議CARS2012において最新の成果を発表するため,国内旅費と合わせて40万円の旅費を計上する.
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