2013 Fiscal Year Annual Research Report
焦点ぼけ構造に基づく多次元映像情報の高能率圧縮表現に関する研究
Project/Area Number |
23700224
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
児玉 和也 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 准教授 (80321579)
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Keywords | 映像メディア / 画像符号化 / 3次元画像 |
Research Abstract |
平成25年度は、密な光線空間から合成した焦点ぼけ画像群が対象シーンの構造をきわめて効率的に表現しうるという平成24年度までの成果をもとに、より一般的な多次元映像情報の圧縮表現に関し提案手法のさらなる拡張を検討した。また、圧縮された光線空間を実際に自由視点環境等で活用するため、表示系を含む映像システムのプロトタイプの構築を検討することで、当該方式の実証的な評価にまで取り組んだ。 具体的にはまず、密な視点が水平、垂直に格子状に配置された多眼画像で構成された光線空間のみならず、一般的な多眼画像を含めた多様な多次元映像情報への適用を可能とする、提案手法の柔軟な拡張について体系化を行なった。すなわち、密な光線空間の場合と同様の流れで合成される特殊なぼけを持つ画像群についても、効率の良い圧縮表現となりうることを確認した。実際、多数の撮像機器を必要とする多次元映像情報においては、故障等の頻度を考慮すれば、このように視点配置を柔軟に選択できることが、提案方式を実用システムへと発展させる上で大変に重要である。 あわせて、本研究における提案手法の実証的検証を行なうため、多次元映像情報の圧縮方式そのものに加え、そのリアルタイムでの復元までを含めた映像システムの検討に取り組んだ。プロトタイプとなる映像システムの構築を前提として、表示系も考慮した多数の視点に対応する画像の高速な復元手法等を示し、研究協力者とともにFPGA等とのハードウェア協調による実装も行なった。従来の空間領域における処理と異なり、周波数領域上での焦点ぼけ画像群に対する線形フィルタの変更のみで多数の視点が並行して再構成可能となっており、これにより、多次元映像情報の符号化のみならずその復号処理も含め、実用的枠組としての提案手法の有効性を明らかにした。
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