2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700228
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹内 栄二朗 東北大学, 情報科学研究科, 助教 (00509680)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | モーションプランニング / 観測計画 / 移動ロボット / 測域センサ |
Research Abstract |
移動ロボットに能動的な観測装置を搭載し、位置・静的障害物・動的障害物の検知状況に応じ観測方向を変える事で、安全性と高速性を両立した自律移動を実現する事を目的とする。23年度は実験環境の整備と障害物検知と位置推定を対象とした観測動作計画問題を解く。これにより、静止環境において、能動観測による位置推定と障害物検知を併用した安全な自律移動を実現する。実験環境の整備として、移動ロボット及び2次元レーザスキャナに1自由度以上の駆動能力を加えた能動計測装置の開発を行った。また、安全な自律移動のための観測計画として、次の3点に取り組んだ。(a) 位置推定・障害物情報の検知状態と安全性の関連付け (b) 位置推定・障害物情報の安全性を向上する注意領域の生成 (c) 各注意領域を観測する観測動作計画問題。(a)については障害物情報の検知状態を占有度ボクセルマップとして表現し、未観測の領域を3次元的に把握可能とした。また、位置推定については、位置推定の分散を検知状態とした。(b)については、障害物検知については未観測領域を注意領域とし、位置推定については位置推定精度を向上するためのランドマークを注意領域とした。(c)については、注意領域毎に距離や推定精度に応じて優先度を定め、先度が高い順番に注意領域を走行しながら観測する速度計画法を提案・実装した。提案する3次元スキャナの観測計画手法を用いることにより、走行予定経路に対して未観測領域に進入しない速度で走行する実験を行い、通常の一定速度での揺動に対し、1.5倍から2倍の走行速度で走行できることが確認でき、安全性を維持しつつ高速に移動することを実現した。また、上記の機能を移動ロボットに実装し屋外での自律移動に適用した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画にあげた静的環境における障害物検知及び位置推定の安全状態の定義及びその安全状態を向上するための観測計画について、各機能を実現し、提案手法により安全性を維持しつつ移動速度の向上が可能であることを検証した。また屋外自律移動ロボットに機能を統合し、屋外実験を行うことでその機能が実環境で機能するか検証すると共に、新たな課題を発見することができた。 当初計画には明記していないが、視野の限られた移動ロボットを用いて安全かつ高速な移動を行うためには、事前に未観測領域を観測できる移動ロボット自体の動作経路を考慮する必要があった。この問題に対し、移動に伴う局所障害物地図の更新を予測する経路計画手法を提案し、目的地が未観測領域内にある場合等においても走行時に未観測領域に可能な限り進入せず、可能な限り短い時間で目的地に到達するアルゴリズムを実現した。 また前記アルゴリズムにて、視野を狭めた場合に左右を見てから前進するなど、人が動作を行う際に安全を確かめてから動作する事と類似した、興味深い動作が生成されることが見られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
24年度は23年度の内容に加え、動的障害物検出を観測動作計画に加える。これにより、人や自転車などの動的障害物が存在する環境での能動的観測による安全な自律移動を実現する。 次の3項目について取り組む。(d) 動的障害物情報の検知状態と安全性の関連付け(e) 動的障害物情報の安全性を向上する注意領域の生成(f) 各注意領域を観測する観測動作計画問題とその一般化 (d)の動的障害物については、未観測部からの移動物体の出現や、事前に検出した移動物体の予測位置から、衝突の危険性を評価することで安全性を定義する。(e)においては、(b)で定義した安全性と、3次元位置を対応付ける。(f)の安全状態を維持する複数センサによる観測動作計画は、本研究の問題を一般化し、異なる位置、自由度、視野角、観測周期、精度を有する能動的な計測装置を複数用いて、協調して注意領域を観測する最適な観測動作を生成する。これは23年度の(c)の観測計画を拡張し実現する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
24年度の研究費として、23年度に実現した機能の拡張及び一般化のため、実験に用いる測域センサを追加購入する。また研究の遂行のため、実験装置の保守・拡張のための機械部品及び電子部品、各種消耗品の購入費、調査研究及び資料収集、打ち合わせのための旅費、実験補助員のための研究補助費を計上した。また23年度は本申請の研究成果として、多数の論文を出す予定である。そのため研究成果の発表のための成果発表旅費及び学会誌等への成果投稿料、英文添削のための校閲料を計上した。
|