2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700231
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
舩冨 卓哉 京都大学, 学術情報メディアセンター, 助教 (20452310)
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Keywords | ディジタルヒューマンモデル / 3次元形状計測 / 知能ロボティックス / 画像処理 / コンピュータビジョン / 姿勢操作 |
Research Abstract |
本研究では,さまざまな姿勢において手の三次元形状計測を行い,関節角度を指定することで姿勢操作が可能な,写実性の高い三次元モデルを構築することを目的とする.姿勢変化による手の形状変形を表現できるよう,手が複数の節から構成されているとみなし,各指節の三次元形状を獲得する.これらの各指節の形状モデルをそれぞれ適切に配置することによって,さまざまな姿勢における手の形状を表現することが可能となる. 各指節の三次元形状を獲得するため,平成24年度は三次元形状計測システムにワンショットスキャン法を導入し,さまざまな姿勢における手の三次元形状のリアルタイム計測を実現した.この計測システムを利用することにより,さまざまな姿勢における手の三次元形状を大量に獲得することが可能となった. ワンショット法により形状計測を行った際,システムに設置されたカメラで,手の三次元形状に応じた距離画像が獲得される.また,手にいくつかのマーカを貼付し,それをシステムに設置された複数台のカメラで観測することで,それらの三次元位置を計測することができる.これら2種類の情報を用いることによって,手を構成する複数の節それぞれの三次元形状を自動的に獲得することができる手法を提案した. 具体的には,10台のカメラを用いて手を計測し,290姿勢において距離画像2,900枚を獲得した.これと同時に,手に添付した72点のマーカ位置を290姿勢分で獲得した.各距離画像では,1,000~3,000点の三次元位置が獲得されており,全データで合計62万程度の点を対象に処理を行った.手を18の指節から構成されているとみなし,以上のデータから各指節の三次元形状を獲得した.これを基に,計測時に取っていた290姿勢での手全体の三次元形状を再構成することができた. 以上の成果について,MIRU2012,3DimPVT2012において発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,さまざまな姿勢において手の三次元形状計測を行い,関節角度を指定することで姿勢操作が可能な,写実性の高い三次元モデルを構築することを目的としている. 平成23年度は,(A)「姿勢操作の実現に必要なスケルトンの推定」を実現するため,(A-1)「姿勢事例(手の各節の配置と関節角度の組)の獲得」と「(A-2) 姿勢事例の補間に基づくスケルトン推定」をサブテーマとして挙げていた.また,(B)「姿勢変化による各節の非剛体的変形のモデル化」を達成するため,平成24年度は(B-1)「ワンショットスキャン法の導入による計測の完全自動化」を,平成25年度は(B-2)「各節の配置に基づく非剛体変形のモデル化」をサブテーマとして挙げている. (A)および(B-1)について,本年度までで概ね達成できており,(B-1)については国内での大きなシンポジウム,国際会議において対外発表を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従って(B)「姿勢変化による各節の非剛体的変形のモデル化」を達成するため,平成25年度は(B-2)「各節の配置に基づく非剛体変形のモデル化」に取り組む. この達成に向けて,今年度取得したさまざまな姿勢における手の距離画像の分析を進めているが,手の三次元形状が複雑であることも起因して,姿勢によってはどうしても観測できない部分があり,非剛体変形を十分にモデル化できているかどうかの検証が十分にできない可能性がある.そこで本年度は,手に限らず,より変形の程度が大きいと考えられる顔もモデル化の対象として,非剛体変形のモデル化の研究を進めていく予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は,当初計画を進めていくと同時に,その成果を国内シンポジウムや国際学会で積極的に発表し,さまざまな研究者と幅広い意見交換を行うことができた.平成23年度の成果(A)「姿勢操作の実現に必要なスケルトンの推定」について国際学会での発表がまだできていないため,平成25年度はこの発表も行うよう,準備を進めている.これに係る旅費等を計上する.
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