2012 Fiscal Year Research-status Report
歌唱訓練に適した音響空間の実現と歌唱における感覚運動制御の解明に向けた実験的研究
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23700234
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 浩介 大阪大学, 産学連携本部, 助教 (90444504)
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Keywords | 歌唱 / 歌声 / 歌唱訓練 / 感覚行動システム |
Research Abstract |
本研究は、音場という環境要因がヒトの感覚運動制御に与える影響について基礎的な知見を得ようとするものである。本年度は以下の通り、歌唱者に対する音場の影響を検証するための実験系を改良し、次の2つの目標を達成できた。 ・目標1:歌唱者が快適に歌唱可能な歌唱実験系を構築する。 ・目標2:歌唱者の両耳位置における、直接音(歌唱者の口→歌唱者の両耳)に対する残響音(歌唱者の口→ホール→歌唱者の両耳)のレベルが計測可能な歌唱実験系を構築する。 なお、具体的な研究実績は以下の通りである。 a.スタンドマイクを使った実験系を構築していたが、これでは環境音が混入することにより音質が低下し、歌唱者が快適に歌唱することが困難になるという問題が生じた。そこで、歌手の口元7cm付近に小型マイクを設置するという対策を講じた結果、自然な響きを歌唱者に呈示することが可能となり、上記目標1が達成された。 b.歌唱者の外耳道における、直接音(歌唱者の口⇒歌唱者の両耳)に対する残響音(歌唱者の口⇒ホール⇒歌唱者の両耳)のレベルを計測する際に、小型マイクロフォン+ヘッドセットの組み合わせでは、小型マイクが外耳道内で動いてしまい、正しい音圧レベルが計測できないという問題が生じた。そこで、耳にフィットするタイプのバイノーラルマイクロホン(MS-TFB-2)を新規に購入し、実験系に導入したところ、再現性ある計測が可能となり、上記目標2が達成された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
a.スタンドマイクを使った実験系を構築していたが、これでは環境音が混入することにより音質が低下し、歌唱者が快適に歌唱することが困難になるという問題が生じた。そこで、歌手の口元7cm付近に小型マイクを設置するという対策を講じた結果、自然な響きを歌唱者に呈示することが可能となり、この問題は解決された。 b.歌唱者の外耳道における、直接音(歌唱者の口⇒歌唱者の両耳)に対する残響音(歌唱者の口⇒ホール⇒歌唱者の両耳)のレベルを計測する際に、小型マイクロフォン+ヘッドセットの組み合わせでは、小型マイクが外耳道内で動いてしまい、正しい音圧レベルが計測できないという問題が生じた。そこで、耳にフィットするタイプのバイノーラルマイクロホン(MS-TFB-2)を新規に購入し、実験系に導入したところ、再現性ある計測が可能となり、この問題は解決された。
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Strategy for Future Research Activity |
・実験を失敗なく、スピーディーに行うため、実験系の構築ならびに実験手続きの補助の部分を、引き続きPA(音響技術者)に対して外注する。 ・多数の歌唱者の協力を得るため、2013年3月に知り合ったオペラのプロデューサ及びオペラ歌唱者、声楽のトレーナー等との人脈を充実化させる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1)実験を失敗なく、スピーディーに行うため、実験系の構築ならびに実験手続きの補助の部分を、PA(音響技術者)に対して外注する。2)歌唱訓練への応用に向けた実験を行う際に、プロ歌唱者・声楽のトレーナー等に対して謝金を支出する。3)連携研究者、研究協力者と打ち合わせを行うために、旅費を支出する。4)著名な国内外の会議に研究成果を発表するために旅費・学会参加費を支出する。 なお、このような次年度使用額が生じた理由は以下の通り。 A)今年度は、実験系の改善に時間を要したため、謝金支払いを要する歌唱者を招いた実験が少なくなったため。B)連携研究者、研究協力者とのEmail・電話を介した打ち合わせのみで、今年度の生じた問題を解決でき、打ち合わせ旅費を支出する必要がなかったため。C)著名な国内外の会議に研究成果を発表するためのデータはまだ得られておらず、旅費・学会参加費を支出する必要がなかったため。
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