2011 Fiscal Year Research-status Report
バイオフィードバックを用いたユーザと人工物との持続的なインタラクションの構築
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23700243
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
棟方 渚 北海道大学, 情報科学研究科, 特任助教 (30552351)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 持続的なインタラクション / 生体信号 / ユーザ状態 / 人工物 |
Research Abstract |
応募者は,人間と人工物との持続的なインタラクションを実現するシステムの構築を目的としている.持続的なインタラクションを可能とするためには,人間側の動機を維持することが必要となる.そこで応募者は,ユーザとインタラクションを行う人工物の振る舞いについて,人間の興奮をより促すような一種のバイオフィードバック系を構成することで,インタラクションにおけるユーザの動機の持続を試みることを目的としている.本研究ではユーザの状態を行動学的・言語学的な特徴ではなく,どのタイミングで,ユーザが行動・発話を行ったのか等の外部状態と,ユーザの生体信号から得られる内部状態とを同時に記録し,両者のインタラクションにおける時系列的・物理的な特徴に注目することで上記のシステム構築を目指す.時系列的・物理的な特徴から,ユーザの状態を理解し,バイオフィードバック的に必要なタイミングをロボットの動作トリガーとし,人工物の振る舞いを表現することとする.現在では,主に内部状態としてのユーザの動機の抽出を行っており,リアルタイムかつ簡単に数種類の生体信号取得を行える装置を構築した.また,ユーザの行動や言動を,対象となる人工物に取り付けたカメラやマイクなどのセンサから取得し,それらのデータから,ユーザの外部状態を推定した.それらの内外の状態について,ユーザの言動と行動(アクション)と人工物側の言動・行動(イベント)を対応付け,ユーザ状態を把握するシステムを開発する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では,ユーザの状態を理解し,その状況に対してバイオフィードバックを用いて,最適な人工物の振る舞いを付与することができるシステムの開発を行うことが,目的である.ここで扱うユーザの内部状態については,内部状態として生体信号を取得することで抽出しているが,個人差の問題をクリアでき,一般化できるユーザ状態推定システムの調整に時間がかかっている.
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Strategy for Future Research Activity |
把握したユーザ状態を反映させる人工物としてロボットを使用し,ロボットが持つ動作パターンに対して任意のユーザ状態の情報を付与することで,そのユーザ状態がロボットの動作を特定し,ユーザにとって最適なタイミングでイベントを発生させるトリガーとなるシステムを開発する.そして,このシステムが適切にユーザの状態を反映しているのかを調査する評価実験を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
システムの評価としてユーザ実験を行うため,謝金を使用する予定があり,その実験で用いる生体情報取得に関する諸々の消耗品類を購入する.また,測定機器の改良にともない,部品類の購入を予定している.そのほか,研究成果をまとめ論文投稿を行ったり,研究発表・調査研究として論文投稿費や旅費の申請を予定している.加えて,提出した計画書では,前年度にロボットの購入を予定していたが,科研費の支給が遅れたこともあり,ユーザ状態推定のプロトタイプを作成することを優先した.今年度では,その未使用額を当初の予定の通り,ロボットの購入に使用する予定である.
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