2012 Fiscal Year Research-status Report
形式概念分析によるユーザーの直観に適したウェブ検索結果の視覚化システムの開発
Project/Area Number |
23700245
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
延原 肇 筑波大学, システム情報系, 准教授 (80359687)
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Keywords | 情報視覚化 / 動画推薦 / リンク解析 / オンライン学習支援 |
Research Abstract |
今年度,形式概念分析に基づいた直感的なインタフェースとして,2つの大きな応用事例を開発し,さらにその拡張として,学習支援への応用も行った.それぞれを以下に示す. 1. まず応用事例の1つめとして,Web上の画像検索を対象としたシステムの開発を行った.具体的なシステムの流れとしては,ユーザーの任意の検索クエリに対して,Google 画像検索を用いて検索結果の画像および周辺テキストページ群を取得する.取得後のテキストページを,形態素解析API等を利用することでキーワードに分割する.さらに,それらのキーワードの重要度,頻度を計量した上で画像および対応するキーワード群の関係表を作成し,情報表に対して形式概念分析を適用し,検索結果の画像群を概念構造の観点から抽象化し,ユーザーに対して咀嚼しやすいシステムを開発している. さらに,前年度に開発した力学系モデルに基づく束構造視覚化を用いて,画像検索結果の視覚化もより咀嚼しやすいものに対応させている. 2.応用事例の2つめとして,動画閲覧サイトYoutubeを対象とした,動画推薦システムを形式概念分析を利用して開発した.従来の動画推薦では,推薦理由が明示されない点を,形式概念分析の概念の連結情報を利用し,推薦理由を明示するシステムを構築した. 今年度は,新たにLinkedデータにも拡張を行い,その枠組みにおいて直感的な検索を適用する枠組みを構成した.具体的には,あるサイトで公開しているオンライン辞書データおよび図版データを利用し,これらのLinkedデータに対してリンク解析を行い,それぞれの関連度を求める.この関連度に基づき,関連の強いキーワードは近くに,弱いキーワードは遠くに配置するような視覚化を行っている.さらにこれらの結果を,オンライン辞書作成に関わる専門家に評価してもらい,高い評価を得ることができている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の拡張として,静止画・動画のみならず,具体的な産学連携に発展している点から,当初の計画以上に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までは,テキストおよび画像情報までを視覚化したが,今後は,マイクロブログ,オンライン辞書,その他,様々なソーシャルサービルまで展開.農業データまで.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は,繰越発生分も含めて,平成24年度において得られた成果を,国際会議,雑誌論文等へ積極的に投稿する予定である.その際の旅費,論文掲載料をメインに支出する予定である.すでに平成24年度に得られた成果が雑誌論文として投稿がなされており,これが採択された場合に支出を予定している.
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