2013 Fiscal Year Annual Research Report
観光地における旅行者の思い出形成要因の分析と体験誘発型街歩き支援システムの構築
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23700247
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| Research Institution | University of Yamanashi |
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Principal Investigator |
木下 雄一朗 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (70452133)
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| Keywords | 感性情報学 / 観光 / 街歩き / 思い出 / 体験 / ユーザインターフェース / 情報システム / 曖昧な情報提示 |
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| Research Abstract |
観光産業において，旅行者にいかに思い出に残る旅を提供するかという問題は重要な課題の一つである．本研究では，旅先での散策に重点を置いた「街歩き」と呼ばれる旅行形態に着目し，街歩き中のどのような体験が旅行者の思い出形成に関わっているかを調査した．さらに，その結果を踏まえ，街歩きにおける行動の選択はあくまでも旅行者に委ねつつも，モータによる振動とLEDによる方向指示という曖昧な情報のみによって，旅行者を思い出形成につながる体験へと誘導する「体験誘発型街歩き支援システム」を構築した．
最終年度は，前年度に構築したシステムにより，旅行者の街歩きの内容がどのように変化するか，そして，それが旅行者の思い出形成にどのような影響を与えるかを街歩き検証実験を通して確認した．検証実験では，過去に京都を訪れたことのない8名を被験者とし，互いに顔見知りの2名を1グループとして，1 km 四方のエリアを自由に散策してもらった．この際，半数のグループは，携帯情報端末上で一般の地図サービスを用いる条件で，残りのグループは，構築したシステムを併用する条件でそれぞれ街歩きを行った．いずれの条件においても，被験者の移動経路，街歩き中の会話，街歩きの様子をGPS，ICレコーダー，ビデオによりそれぞれ記録した．
実験中の記録をもとに，システムを用いた条件とそうでない条件についての街歩き経路の違いを比較するとともに，システムを用いた際の被験者の特徴的な行動について検証を行った．その結果，構築したシステムには，旅行者の注意を周囲の環境に向け，旅行者に偶発的な体験の機会を提供することに一定の効果があることが確認された．また，実験に実施した質問紙調査により，システムによって誘発された体験が旅行後の思い出形成にどのような影響を与えているか考察を行った．
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