2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700269
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上手 洋子 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (80582642)
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Keywords | 複雑系ネットワーク / ニューラルネットワーク / 結合発振器ネットワーク / 社会性ネットワーク / 同期現象 / クラスタリング現象 |
Research Abstract |
本年度の研究計画では、ゆとりニューラルネットワークだけでなく、その他の複雑ネットワークの情報処理との関係を調べることであった。また生物学メカニズムを導入した複雑ネットワークの提案および回路実装によるネットワークの調査も本年度の目標であった。 我々はまず、新しい複雑ネットワークとして、社会ネットワークで見られるような構造を持ったニューラルネットワークを提案し、そのネットワークに連想記憶を行わせたときの想起能力についての調査を行った。社会ネットワークの構造を持たせることで従来のニューラルネットワークよりも想起能力が向上する場合があることを確認できた。 さらに、社会ネットワーク構造をもつ結合マップシステムの提案を行い、結合が弱い部分から、同期が外れ、ある複数のグループだけで同期を行うクラスタリング現象を観察することができた。これまでの結合マップネットワークでは、結合構造はリングや格子状など規則的なものが多く、実際に存在するネットワーク構造を用いた本研究成果は非常に新規性が高いといえる。 また、ネットワークの回路実装として、結合カオス回路を2次元状に配置させ、回路間の距離に応じて結合強度が決定されるネットワークシステムの提案を行った。すなわち、近くのカオス回路同士は同期しやすく遠いカオス回路とは同期しにくいシステムである。本システムに対して、カオス回路間の同期現象を用いてクラスタリングを判定できるアルゴリズムを開発することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年間計画で提示した課題をほぼ遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画・内容で示した課題を遂行していく。特に次年度は本プロジェクトの最終年度であるので、複雑ネットワークの新しい指標の提案や、回路実装によるネットワークの特徴抽出について調査を行っていきたい。また、年間計画・内容の課題を遂行するだけで満足せずに、常に新しい課題をみつけ、より詳しい調査・考察を行っていきたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、計画どおり回路実験で必要なオシロスコープとデータ解析を行うためのパーソナルコンピュータを購入予定である。
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Research Products
(14 results)