2011 Fiscal Year Research-status Report
無限要素を持つノンパラメトリックベイズモデルによる生命情報予測アルゴリズム研究
Project/Area Number |
23700274
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
鏑木 崇史 学習院大学, 付置研究所, 助教 (10468861)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | バイオインフォマティクス / 機械学習 / 隠れマルコフモデル / ノンパラメトリックベイズモデル / ベイズ学習 / ベイジアンネットワークモデル |
Research Abstract |
平成23年度は(1)タンパク質機能予測と(2)遺伝子制御ネットワーク推定の2項目について無限要素を持つノンパラメトリックベイズモデルを利用する基本アルゴリズムを構築することを目標としている。目標(1)タンパク質機能予測に対しては平成22年度までに構築されている有限混合数の混合隠れマルコフモデルを基に状態数・混合数ともに無限のモデルへと拡張した。まず、混合数を無限にするため、Direchlet Process 事前分布を仮定したモデルを構築し、比較的小規模なデータで実験をしてその性能を評価した。次に、状態数無限の隠れマルコフモデル実装を行った。この実装にはDirechlet Process 事前分布を拡張したStick Breaking Process事前分布が仮定さている。前者についてはすでに国際会議にて報告しており、後者についても平成24年度に報告を行う予定である。また、国際コンテストの結果報告会議にて最新の動向を調査し、先行研究との標準的な比較が行えるよう実装した。目標(2)遺伝子制御ネットワーク推定においては、非線形ベイジアンネットワーク基本モデルの構築を行った。その際、非線形性をとらえるカーネル関数を(a)無限中間素子ニューラルネットワークカーネル、(b)Gaussカーネル、(c)限中間素子ニューラルネットワークと線形カーネルの組み合わせ、(d)Gaussカーネルと線形カーネルの組み合わせ の4つのカーネルで比較・検討を行った。提案手法の有用性は時計遺伝子のデータを用いて検証を行った。この結果は国内研究会にて報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在まではおおむね計画通りに進行している。研究をすすめるにあたり、目標(1)タンパク質機能予測に対しては、初の国際コンテスト開催によって標準ともいえる比較方法が確立し、その実装を行ったことで無限状態隠れマルコフモデルの実装がやや遅れたが、研究全体では大きな影響が出ないと考えている。一方、目標(2)遺伝子制御ネットワーク推定においては、おおむね当初の計画通り進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度の進捗が概ね計画通りであることから、平成24年度も当初の計画通り進める予定である。特に「ベイズ的枠組みでの拡張と公開サーバ構築」に注力をして研究を進める。目標(1)タンパク質機能予測に対しては、無限混合隠れマルコフモデルをベイズ的枠組みで階層化・拡張したアルゴリズムの提案・実装を行う。対象とするデータも初年度より多く、他種類の生物種を含めたものにする予定である。目標(2)遺伝子制御ネットワーク推定においては、より柔軟なモデルとするために、モデルに付随するハイパーパラメタを自動調整するアルゴリズムを高精度Monte Carlo 法にて実装する。初年度の時計遺伝子に加え、神経変性疾患との関連が疑われている遺伝子発現データにも着目し、解析を行う予定である。また、両アルゴリズムともにWebアプリケーションを構築し、誰でも自由に利用できるよう研究成果を社会に還元する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度の研究推進では、既存の研究設備で計算を実施できたが、平成24年度の実装ではより高度な計算が行われるため、より高速な計算機が必要となる。導入時期は8月頃を予定している。さらに、平成23年度の研究成果を報告するため、7月に国際会議に参加する予定である。さらに論文投稿を予定しており、英文校閲の費用がかかるものと想定している。
|