2012 Fiscal Year Research-status Report
無限要素を持つノンパラメトリックベイズモデルによる生命情報予測アルゴリズム研究
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23700274
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
鏑木 崇史 学習院大学, 付置研究所, 助教 (10468861)
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Keywords | バイオインフォマティクス / 機械学習 / 隠れマルコフモデル / ノンパラメトリックベイズモデル / ベイズ学習 / ベイジアン年ットワークモデル |
Research Abstract |
平成24年度は(1)タンパク質機能予測と(2)遺伝子制御ネットワーク推定の2項目について無限要素を持つノンパラメトリックベイズモデルを利用する基本アルゴリズムをベイズ的枠組みでの拡張と公開サーバ構築することを目標として研究を推進した。 目標(1)タンパク質機能予測に対しては平成23年度までに構築されている状態数・混合数ともに無限のモデルへと拡張した無限状態・無限混合隠れマルコフモデルを基に研究を推進した。まず、平成23年度に構築した無限状態隠れマルコフモデルによるタンパク質機能予測と無限状態・無限混合隠れマルコフモデルについて、それぞれ先行研究との比較結果を行い国際会議にて報告を行い、一定の評価を受けた。 目標(2)遺伝子制御ネットワーク推定においては、平成23年度に構築したノンパラメトリックベイズモデルを活用し、遺伝子発現ネットワーク構造の突発的な変化に柔軟に対応するアルゴリズムの構築を行った。こうした現象は、生命の成長において時間的に遺伝子間の相互作用の強さの変化する現象の解明に有用である。具体的には遺伝子発現ネットワークのモデル設計にノンパラメトリックモデルとダイナミックベイジアンネットワークを用いて構築されたベイズ的枠組みを,リバーシブルジャンプマルコフ連鎖モンテカルロ法 (RJMCMC 法) を用いることで推定するアルゴリズムを提案した。この結果は国際会議にて報告し、Best Paper Awardを受賞するなど、評価された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は平成23年度で得られた結果を用いて、「ベイズ的枠組みでの拡張」を目標に研究を推進してきた。しかし、タンパク質機能予測においては、無限状態・無限混合隠れマルコフモデルを構築してきたが、計算時間が通常の計算機では実行が困難であったため、近年注目されているGPGPUを用いる手法を既存のCPUを用いる手法と並列して実施する方針とした。そのためのプログラム改変に時間がかかり、当初の研究目標よりもやや遅れる結果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度で完了しなかった(1)タンパク質機能予測と(2)遺伝子制御ネットワーク推定についてWebサービスとして提供できるよう、演算の高速化とサービス提供への準備を行う予定である。 具体的には、GPGPUを用いたアルゴリズムの高度化を中心に研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
無限状態・無限混合隠れマルコフモデルを用いたタンパク質機能予測アルゴリズムのWebサービスとして公開する研究とその報告を次年度に行うこととし、研究成果の報告とWebサービスの提供準備のための費用に充当する。
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