2011 Fiscal Year Research-status Report
インターネットによる知識ギャップ拡大要因の検証及び社会的帰結に関する国際比較研究
Project/Area Number |
23700282
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金 相美 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 准教授 (10401241)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 国際情報交流 / スマートフォン / デジタル・デバイド / 知識ギャップ / 国際比較 / 若者 / 社会経済的要因 / ケータイ族 |
Research Abstract |
I.実施内容、その(1)先行研究・関連資料の分析、理論的背景に関する事前検討情報デバイドとSES要因との関連に関わる先行研究及び『知識ギャップ』仮説の最新研究の動向に関するレビューを行った。以前筆者が実施したデータを再分析の対象とし、多角的検討を行った。また、日韓で測定可能な政治知識量の測定尺度作成を目標に資料収集・検討を行った。(2)フィールド調査,「社会的コンテキストから見る情報機器デバイド」の実施:2012年1月~3月に渡り、日韓の10代~30代の若年層を中心に、ネット・ツールとしてケータイ・スマートフォン利用者をブロック分けし、それぞれのグループに対しフォーカスグループ・インタビューを行った。ブロックは、日本では、(1)高学力大学生(スマートフォン利用者)、(2)高学力大学生(スマートフォン非利用者)(3)低学力大学生、(4)派遣・契約社員(所謂,フリーター)、(5)フルタイム従事者である。韓国では、(1)大学生(スマートフォン利用者)、(2)大学生(スマートフォン非利用者)、(3)派遣・契約社員(所謂,フリーター)(4)就職準備中の無職者、(5)フルタイム従事者のそれぞれ5ブロックである。FGI(Focused Group Interview)においては、パーソナリティ要因等のデモグラフィック特性だけでなく、それぞれのブロックにおける社会的コンテキストが如何にメディアの選択・利用に関与しているかについて検討した。II.意義、その1)は、韓国と日本の社会文化的コンテキストの検討が可能である点であり、その2)は、定性・定量の両側からのアプローチが可能となった点である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
下記通りの研究計画を立ていたが、計画通り順調に進んでいると評価できる。(1)『先行研究・関連資料の分析、理論的背景に関する事前検討』は実施済である。(2)『「社会的コンテキストから見る情報機器デバイド」に関するフォーカス・グループ・インタビュー』が無事実施が済んだ。
|
Strategy for Future Research Activity |
(1)日韓の政府関連機関及び教育現場に対する実態調査の実施日韓において情報通信政策を担当する政府機関および教育現場の情報メディア教育専門家に対するヒアリング調査を行う。必要に応じ、情報通信政策専門家と意見交換・議論を積極的に図り、『知識ギャップ』におけるマクロ的要素の関与について検討する。(2)国際比較調査による社会文化的要因の検討上記の定性調査の結果を踏まえ、研究課題・仮説を設定し、それに応じた構造的調査票を作成する。日本と韓国の首都圏在住の成人男女を母集団とし、結果の一般化のため、ランダム・サンプリングによって抽出された標本に対する本調査を実施する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
(1)調査分析・記録のためのメディアの購入の予定(2)旅費:日韓の政府関連機関及び教育現場に対する実態調査の実施のための国内・海外旅費(3)調査実施費用:国際比較調査実施ーサンプリング・配布・入力に関する費用(4)その他、ヒアリング調査及び質問紙調査実施・文房具、消耗品など購入予定
|