2012 Fiscal Year Research-status Report
情報検索におけるメディアイクエーションに関する実験とその応用
Project/Area Number |
23700283
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
齋藤 ひとみ 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (00378233)
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Keywords | 情報検索 / エージェント / メディアイクエージョン / 共同情報検索 / Human Agent Interaction / 協同問題解決 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)メディアイクエーションが情報検索における利用者の評価や検索行動にどのように影響するのかを実験的に検討する、(2)メディアイクエーションを応用したサーチエンジンインターフェイスを開発し、インターフェイスの効果を評価することである。今年度は、ユーザと擬人化エージェントとの協同情報探索を想定したプロトタイプシステムを開発し、利用者実験による検討を行った。 昨年度は、擬人化エージェントに検索システムの窓口として情報を提供する役割を付与し、その効果について検討した。今年度は、擬人化エージェントに利用者と一緒に検索を行う仲間としての役割を付与し、その効果について検討した。実験用のプロトタイプシステムとして、Windows AzureのBing Search APIを利用したサーチエンジンを開発した。擬人化エージェントの部分はFlashで作成した。擬人化エージェントとユーザとの共同については、ユーザと並行して検索を行うともばたらき型と、ユーザに助言や評価を与えるよりそい型の2種類のパターンを用意した。 エージェントの振る舞いが、ユーザのシステムに対する印象や検索行動にどのように影響するのかを検討するために実験を行った。実験は、システムの種類(よりそい、ともばたらき、エージェントなし)を要因とした1要因参加者間計画で実施した。検索課題は、生活習慣病とその予防についてポスターを作るために参考になりそうな画像や写真を探すというものであった。 分析の結果、エージェントなしのベースシステムに比べ、エージェントありのシステムのほうが親しみやすい、人間的な印象を持つことや、キーワードの変化回数が多いことが明らかになった。このことから、擬人化エージェントによる共同情報探索は、サーチエンジンに対してより人間的な印象を与え、その結果より積極的な検索活動へとつながることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度は、利用者実験の実施と分析を行うことを目的としていた。実際にエージェントがユーザと協同情報探索を行う実験システムを構築し、利用者実験を実施することができたため、おおむね予定通りに進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の実験結果から、人とエージェントの共同検索場面におけるエージェントの振る舞いが、人の情報検索システムに対する印象や、情報検索行動に影響をあたえることが明らかになった。ただし、どのような振る舞いがより適切なのか、また実用的なシステムとして実装するための方法についてはもう少し検討が必要である。そこで、さらに実験システムを利用した実験を行い、情報検索システムにおけるエージェントの適度なインタラクションのあり方について検討を行うと。また、様々な情報要求に耐えうる汎用性の高いエージェントを開発するのではなく、ある限られたリソースに対応しうる自律的なエージェントの開発を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度までの実験結果に基づき、メディアイクエーションを応用した検索インタフェースの提案・開発を行う.開発したシステムは,Web 上に公開し,一般の利用者を対象としたモニター実験を行う.システム開発に必要な開発環境の整備や、Web上に公開するためのWebサーバー購入に使用する。 また、上記のモニター実験と並行して評価実験を行い、インターフェイスの効果を詳細に検討する。評価実験を行うために、実験用パソコンのレンタル、参加者への謝金、実験・分析補助者への謝金に使用する。 さらに研究成果は国内外の学会で報告し,最新動向の把握や意見交換を積極的に行う.そのため,国内外の研究成果発表および英語論文の校閲に使用する。
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Research Products
(6 results)