2013 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ公共図書館の発達停滞にみるアウトリーチサービス発展条件に関する実証的研究
Project/Area Number |
23700290
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Research Institution | Otsuma Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
中山 愛理 大妻女子大学短期大学部, 国文科, 助教 (80435239)
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Keywords | アメリカ公共図書館 / アウトリーチサービス / 公立図書館 |
Research Abstract |
本研究では、アメリカ公共図書館の発達停滞にみるアウトリーチサービス発展条件を実証的に検討することを目的とした。そのために、アメリカで取り組まれたアウトリーチサービスに関する種々の取り組み事例を示す史料を調査し、その成功を阻害した要因を分析した。 具体的に本年度は、アメリカのニューヨーク州ブルックリン公立図書館の1960年代の取り組みとテネシー州ノックスビルにあるローソンマクギ―公立図書館の1930年代以降の取り組みを示す史料を2013年8月、現地で調査し、適宜整理と検討を行った。その結果、分析と検討を終えたニューヨーク州ブルックリン公立図書館の1960年代の活動については、研究フォーラムにおいて、「アウトリーチ・サービスにみるコミュニティと利用者の再発」と題して、報告するとともに、「拡張サービスからアウトリーチへ」という論考として、出版予定(確定)となった。このほか、テネシー州で入手した史料については、整理と分析を進めた。その結果、アウトリーチサービスの前身と考えられている拡張サービスの成否を分ける要因として、そこにかかわる館長や職員などの方針といった属人的要素が大きかったことが明らかになった。また、推進する方針が見られたとしても、実施するための財源的な裏付けがなければ、継続できず失敗に至るケースが多く確認された。
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