2013 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットを利用した発達障害児療育の有効性の認知科学的評価
Project/Area Number |
23700321
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高橋 英之 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30535084)
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Keywords | 自閉症児 / ロボット / 心の帰属 |
Research Abstract |
本研究課題では,自閉症児がロボットに感じる心を定量化することを目的とする.子どもや自閉症児においては,質問紙などの指標を用いることが難しいため,行動指標や生理指標からロボットに感じる心を定量化する必要がある.本年度は,ロボットに対する心の帰属を神経活動として計測するために行ったfMRI実験の解析,論文投稿を行った.結果として,この知見にかかわる論文を神経科学の代表的な国際雑誌に掲載することができた.ただしこの研究は成人を対象とした実験であり,今後,これらの知見を如何に子供でも計測可能な手法に発展させていくのかについて議論を行う必要がある.また自閉症児が遊びたくなるような太鼓たたきロボットを設計,開発した.このロボットの動作モードとして,リーダーモード(好き勝手にリズムを刻む),フォロワーモード(被験者にリズムを追従させる)という二種類を用意し,このモードを切り替える計算論についてモデル構築を行った.今後はこのモデルを用いて,子供の打点リズムから子供がロボットに感じている心を定量化することを目指す.また自閉症児は共感性が一般的に低いと考えられているが,ロボットを用いることで共感性を引き上げることが可能なのではないかと考え,ロボットのリズム同調とロボットが壊れる動画に対する共感性を測る予備実験を開始した.これらの研究の結果,自閉症のロボット療育の研究でこれまでなかった定量化の枠組みについて明らかにすることができた.
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