2012 Fiscal Year Annual Research Report
治験環境整備を促進する医師主導治験データセンターの業務効率化に関する研究
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23700332
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
西本 尚樹 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (90599630)
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Keywords | 医師主導治験 / 臨床試験 / システム / 自然言語処理 / オントロジー / 知識管理 |
Research Abstract |
本研究では、臨床試験データマネジメントの業務効率に関する問題を解決するために、生物統計学的な概念を取り入れた知識基盤を構築し、多施設臨床試験・医師主導治験で再利用可能な知識と業務支援システムの実装及び評価を目的とした。 システムの構築フェーズと知識基盤形成フェーズで実施した。システムの構築フェーズでは、データベースにMySQL 5.5を使用し、プログラミング言語Perl及びJavaでファイル共有システム、試験進捗管理システムを構築し、CRF(Case Report Form)返送の早さについて探索的解析を行った。北海道大学探索医療教育研究センターのデータセンターで試験運用を行った。CRFを配信してから返送までの25%点期間について、(1)翌日から1週間、(2)1週間から2週間、(3)2週間以上と群分けをしたところ、返送をイベントとしたプロットで中央値時間は、それぞれ(1)10日、(2)16日となった。(3)の群は症例数により中央値時間が算出不能であった。 知識基盤の構築として、生物統計学の基礎的な概念で、57概念、4階層を記述した。記述統計学に対応する describingData という概念を定義し、グラフ等を表す diagramという概念を配置した。本研究では、パラメータや推定値など基礎的な統計学の概念をOWL(Ontology Web Language)で記述することができた。収集した用語の中には、上位概念・下位概念を与えられていないものもあり、今後それらの関係性を定義することが、本研究の課題である。 これまでの臨床試験のデータセンター業務においては、知識処理による業務の効率化は試みられておらず、知識の再利用が手つかずになっていた。本研究の成果は、業務の効率化に伴う多施設臨床試験の迅速化に貢献するものである。
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