2011 Fiscal Year Research-status Report
医学研究に特異的な制約とバイアスの下での正確なハザード比推測法の新規開発と応用
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23700335
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉村 健一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30415517)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | 生物統計 / 臨床試験 / 生存時間解析 |
Research Abstract |
本研究の目的は、正確な推測法の導入により、医学研究の計画・解析に特異的な制約・バイアスの下で実施する生存時間解析に用いることができるハザード比の区間推定法を新規開発することにあった。本研究ではこれまで、応用可能性の高い一般的な方法として、重み付き並び替え法の拡張による正確なハザード比推測法を新規に開発し、シミュレーションを用いて性能評価を実施した。また変数選択を含む解析計画などによって生じるoverfitting を調整した下での正確な推測法を新規開発し、その具体的な応用事例としてバイオマーカーを開発するランダム化臨床試験デザインとして近年提案された適応的閾値デザインに対する推測法を新規に開発した。更には、動的割付法を用いたランダム化試験における正確なハザード比推測法を新規に開発し、その具体的な応用事例として動的割付法の1つである最小化法を用いた場合に対して用いることが可能な推測法を新規に開発した。これら具体的な応用事例に対する推測法についてもシミュレーションを用いて性能評価を進め、現段階では一部の限定した設定の下での検討ではあるものの、良好な性能をもつことが示唆される結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した「研究の目的」の達成度について、平成23年度に予定していた1)重み付き並び替え法の拡張による正確なハザード比推測法の新規開発、および2)変数選択を含む解析計画などによって生じるoverfitting を調整した下での正確な推測法の新規開発のみではなく更に平成24年度に予定していた3)動的割付法を用いたランダム化試験における正確な推測法の新規開発についても先行して計画を進めることができた。これら順調な進捗にあわせた計画の変更にともなって、シミュレーションに基づく性能評価については平成23年度の予定の一部を終えることができなかったが、性能評価については計画通りの実施が比較的容易であるため、全体計画への影響は軽微であると考える。以上より、総じて計画はおおむね順調に進展しているか、ないしは当初の計画を若干上回るペースで達成されていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね順調な研究計画の進展ペースを維持する。推測法の新規開発状況の順調な進捗ゆえに若干の遅れが出ているシミュレーションに基づく性能評価については、計画通り着実に進める。更には、本方法の更なる具体的な応用範囲を検討する。同様に特異的な制約・バイアスを有するものを応用範囲の候補として考えている。これには特殊なケース・コントロール研究計画や逐次介入を伴う研究に対する解析法などを含む。平成23 年度の成果も踏まえて、候補となるものを複数検討することによって同定し、それぞれの事例において具体的に正確なハザード比の推測法を新規に開発する。現在の順調な研究計画の進展ペースを維持することで、本研究で新規に開発した応用可能性の高い一般的な推測法をより広範な応用範囲へ適用することが期待できる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
情報収集・交換のための通信費、平成23年度の成果の公表のための出張旅費(国内および海外)、論文発表の諸経費(外国語論文校閲費を含む)、遂行に必要となる消耗品費を計上した。海外旅費に関して、更に本研究課題の遂行、特に実際の応用に際する研究者間の議論、情報交換・情報収集を行うため、世界有数の臨床研究の拠点の1 つであるCRAB(米国ワシントン州シアトル)と公的研究機関NCI(米国メリーランド州ベセスダ)への訪問費用を計上した。大規模データを利用したシミュレーション実験のため、大型計算機利用費も計上した。上記経費を本研究費補助金から支出することは、これまでに行われた類似の研究、および関連法規・ガイドラインなどに照らしても妥当であると考える。
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[Journal Article] A phase I/II study of gemcitabine-based chemotherapy plus curcumin for patients with gemcitabine-resistant pancreatic cancer2011
Author(s)
Kanai M, Yoshimura K, Asada M, Imaizumi A, Suzuki C, Matsumoto S, Nishimura T, Mori Y, Masui T, Kawaguchi Y, Yanagihara K, Yazumi S, Chiba T, Sushovan G, Bharat A
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Journal Title
Cancer Chemother Pharmacol
Volume: 68
Pages: 157-64
Peer Reviewed
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[Journal Article] Feasibility study of adjuvant chemotherapy with S-1 plus cisplatin for gastric cancer2011
Author(s)
Takahari D, Hamaguchi T, Yoshimura K, Katai H, Ito S, Fuse N, Kinoshita T, Yasui H, Terashima M, Goto M, Tanigawa N, Shirao K, Sano T, Sasako M
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Journal Title
Cancer Chemother Pharmacol
Volume: 67
Pages: 1423-8
Peer Reviewed
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