2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700341
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松浦 峻 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (70583368)
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Keywords | 主要点 / Principal points / 主成分分析 / クラスター分析 / 多変量解析 / 離散近似 |
Research Abstract |
本年度は,多次元確率分布の主要点における主部分空間定理および一意性の成立条件のより広い確率分布群への拡張,主要点の推定問題,および主要点の応用に主に取り組み,以下の成果を得た. (1)「異なる楕円対称分布の混合分布の主要点における主部分空間定理および一意性の成立条件の導出」 前年度(平成24年度)に得られた異なる楕円対称分布の混合分布の2個の主要点(2-principal points)における主部分空間定理が成立する条件のもと,1-dimensional n-principal pointsも同様に主部分空間定理が成立することを示し,さらに,2-principal pointsと1-dimensional n-principal pointsの一意性条件を導いた. (2)「確率分布のパラメータが未知な場合の無作為標本からの主要点の推定問題とその応用」 多変量2値分布における2値型principal pointsの推定に関して,確率分布を全ての変数の主効果および複数の変数間の交互作用効果で表される対数線形モデルで記述し,最尤推定を用いて2値型principal pointsを推定する方法を提案した.さらに,アンケートデータに対し,対数線形モデルにおいて何次までの交互作用効果を取り入れるかについて適合度検定を用いて決定したうえで提案法を適用し,解析を行った.また,なんらかの規準での最適性が成り立つprincipal pointsの推定量の構築について,基礎的研究として,一次元正規分布におけるprincipal pointsの推定問題を議論し,新たな推定量を導き,生物計測データの解析に応用した. その他の成果として,多変量統計的管理図における関数主要点(functional principal points)を求め,その振る舞いを調べた.また,2値型principal pointsと関連がある2水準直交表の直積実験データの解析に関していくつかの新しい結果を導いた. これらの成果について,査読付き論文2編,国際会議発表1回,国内学会発表6回の掲載・発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題「多次元確率分布の主要点に関する研究」に現在までに3年間取り組み,「異なる一般の球面対称分布の位置混合分布の主要点における主部分空間定理の証明」「楕円対称分布の位置混合分布の主要点における主部分空間定理の証明と主要点の一意性条件の導出」「確率分布のパラメータが未知な場合の無作為標本からの主要点の推定問題」「主要点の応用に関する研究」「主要点の概念の一般化」について大きな進展があり,この3年間で国際的学術雑誌の査読付き論文3編,その他学術雑誌掲載論文1編,国際会議発表論文1編,その他国際会議発表2回等の成果を得ており,おおむね順調に研究が進展したと判断する. 一方,本年度(平成25年度)における研究予定の一部であった「主要点における主部分空間定理が成立する確率分布の条件の導出と主部分空間定理が成立しないときの主要点の配置の性質の解明」については進展が遅れ,大きな成果が出なかった.これについては次年度に研究の遂行と発表を行う予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の「主要点における主部分空間定理が成立する確率分布の条件の導出と主部分空間定理が成立しないときの主要点の配置の性質の解明」および関連する「確率分布のパラメータが未知な場合の無作為標本からの主要点の推定問題」「主要点の応用に関する研究」 に取り組み,国際会議や国際的学術雑誌での発表を行うことを予定している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度(平成25年度)における研究予定の一部であった (A)主要点における主部分空間定理が成立する確率分布の条件の導出と主部分空間定理が成立しないときの主要点の配置の性質の解明 についての進展が遅れ,本年度は(A)に関する国際会議発表を行えず,約20万円の未使用額が生じた. 次年度(平成26年度)は,上記(A),および関連する (B)確率分布のパラメータが未知な場合の無作為標本からの主要点の推定問題 (C)主要点の応用 に関する研究の遂行と国際会議等での発表を予定しており,未使用額はその経費に充てることとしたい.
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Research Products
(9 results)