2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23700343
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小泉 和之 東京理科大学, 理学部, 助教 (70548148)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 多変量解析 / 漸近論 / 検定理論 |
Research Abstract |
統計解析の中でも重要な問題である欠測値を含む統計解析理論と多次元データが正規分布に従うかどうかを調べる正規性検定理論の研究を行った。この問題は古くから注目され様々な研究成果がある。本研究では多変量解析の中でも判別分析に注目した。欠測値が含まれる状況下では分散パラメータの推定に問題が起こる。そこで、欠測のパターンが単調である場合における状況下で陽に計算できる最尤推定量を用いることによりFujikoshi and Seo (1998)で与えられているある高次元データの枠組みで用いることのできる線形判別関数の期待誤判別確率を単調な欠測値を含む状況にまで拡張しその漸近近似を与えることができた。また、近年は高次元データの解析手法などが盛んに研究されているがその理論のほとんどは前提として正規分布を仮定している。その正規性の仮定が妥当であるかを調べる正規性検定には様々な方法があるが本研究においてはモーメントベースの検定理論、とくに歪度と尖度に注目し、その検定理論における漸近分布の導出を行った。そこではこれまで広く用いられているMardiaによる尖度よりも高い検出力が期待できる新しい多変量尖度を提案し、その漸近分布の導出を行った。さらに、歪度と尖度の両方を考慮した総括的な正規性検定統計量がKoizumiらなどによって提案されているがその検定統計量を高次元の枠組みにまで拡張することを試み、コーニッシュ・フィッシャー展開を用いることで若干ではあるが前進することができたように思う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は主として高次元データの統計解析理論に取り組んだが多変量解析における漸近理論の結果や多変量正規性検定の理論に対してほぼ計画通りに研究が進んでいると考えられるためおおむね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は欠測値が含まれる状況下での検定理論、多変量解析手法における漸近近似などの研究も引き続き進めていくと同時に難しい部分もあるであろうが欠測値の含まれる状況下での多変量多重比較法の近似精度の改良という仕事も残されておりそちらも精力的に取り組んでいくことを予定している。そちらはH23年度に購入した計算機がシミュレーションには多いに役立っており数値的、理論的両面からの考察を行う。これらの計画は多変量正規性検定の理論でも当てはまり、近似精度の改良と次元と標本数の壁を大きく越えるようなもとでも用いることのできる検定統計量の提案が必要であると考えており、そちらの研究も進めていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
日常の研究において必要不可欠である紙、記憶媒体などの消耗品については研究費を用いて購入していくことを計画している。また、近年、高次元データの研究は盛んに行われているため、学会活動などを通して情報の収集やアドバイスなどが得られる機会が多くあるため、今年度も旅費の補助に用いる予定である。こちらは出版される洋書をはじめとした書籍も多く出版されておりそちらの購入も行うことを計画している。
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Research Products
(4 results)