2011 Fiscal Year Research-status Report
ポストゲノム機能解析を促進する新規データ統合手法の開発~新規共発現関係の探索~
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23700355
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
福島 敦史 独立行政法人理化学研究所, メタボローム情報ユニット, 研究員 (80415281)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
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Keywords | バイオインフォマティクス |
Research Abstract |
今年度は、遺伝子共発現解析による遺伝子機能予測を向上させるために、実験データセットごとの相関係数分布を考慮した重み付けを用いる新規データ統合アルゴリズムの開発を行った。収集したアレイデータの重複を取り除き、メタデータと共に整理を行った。各データの品質評価をロバスト線形フィッティング法に供し、共発現推定に使用できない異常データを検出したのち、以降の解析から排除した。収集したシロイヌナズナのマイクロアレイ (Affymetrix GeneChip ATH1) のデータセットの各々に対して、共発現データを計算する際に影響を及ぼすと考えられる実験デザイン、統計的検定による発現差異遺伝子群のデータ分布および相関係数値の分布から、最終的な共発現結果への寄与度を効果的に測る指標を選定した。これら指標から各データセットの特異性・寄与度と見なしうるスコアに基づいてデータ統合の際の重み付けを行い、データ統合の有効性を明らかにした。また並行して、シロイヌナズナのみならずイネ・トマトといった作物に関するアレイデータについても網羅的なデータおよびメタデータ収集を開始した。これらについては次年度以降、同様の重みづけを検討し、植物種間比較を可能とする共発現解析の準備とする。また共発現差異解析 (differential coexpression analysis) は、組織間・ストレス処理間等の二群比較を遺伝子の発現量の平均値の差ではなくて、共発現ネットワークの違いにより調べ、相補的な情報を提供する手法である。その特徴を使って、さらなる遺伝子機能予測の向上が期待できるため、この共発現差異解析結果についても、上記データ統合アルゴリズムの影響について調べていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に、研究遂行にあたり障害は無かった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、円滑に遂行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
シロイヌナズナのGeneChip ATH1を購入予定。様々な環境擾乱(光の波長を変化させる・生育温度を変える)による遺伝子発現レベルへの影響を調べ、新規共発現関係の発見から遺伝子機能予測へとつなげる。
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