2012 Fiscal Year Annual Research Report
記号計算法と数値最適化法との組み合わせによる高精度反応パラメータ推定法の開発
Project/Area Number |
23700358
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中津井 雅彦 京都大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (10509532)
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Keywords | 数値最適化 / パラメータ推定 / 動的システム |
Research Abstract |
本研究では、記号計算法による微分方程式モデルに基づく合理的制約条件を導入し、時系列方向の評価を加えることで、時系列データを使用した微分方程式内反応パラメータ推定の高精度化を目指す。開発した新規反応パラメータ推定法では、時系列であるという測定データの特徴を生かすため、記号計算法であるDifferential Elimination(DE)を導入した。DEは、微分方程式系を、高階微分値を含む等価な方程式系へと変換する。また、DEは任意の分子に関する項を消去できるため、ネットワーク内に測定不可能な分子が存在する場合でも適用できる。これらの制約条件式を標準誤差関数と組み合わせた、新たな評価関数を設計し、遺伝的アルゴリズムや粒子群最適化等の数値最適化手法を用いて反応パラメータの推定を行う。 本年度は、前年度に引き続き、種々の生物学的特徴を持つネットワーク構造を用い、新規開発手法の実用性を検証した。また、従来よりも高速かつ効率的に反応パラメータ推定が可能な新規数値最適化手法を適用し、反応パラメータ推定の高速化を行った。また、新規開発手法を計算サーバへ実装した。このとき、ネットワークモデル・計測データの入力・結果の出力については、表計算ソフト等で汎用的に用いられる形式(CSV形式等)で行えるようにするなど、利用者の利便性に考慮した。 本研究で開発した、生命現象の動的なふるまいを考慮した高精度反応パラメータ推定法は、生命現象のシステム論的解析および機能制御の基盤となることが期待される。また、微分方程式モデル内のパラメータ推定は、生物学のみならず、理工学の幅広い分野で利用されることから、多数の研究課題の進展に寄与することが期待できる。
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Research Products
(3 results)