2011 Fiscal Year Research-status Report
睡眠中における脳内の神経活動がソングバードの歌学習に果たす機能
Project/Area Number |
23700396
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柳原 真 独立行政法人理化学研究所, 発生遺伝子制御研究チーム, 研究員 (60392156)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2013-03-31
|
Keywords | 学習 / 記憶 |
Research Abstract |
睡眠中における脳内の神経活動が記憶・学習に果たす機能を明らかにすることは、現代脳科学における重要問題のひとつである。近年、行動中に見られた神経細胞の発火パターンがその後の睡眠中に再現されるリプレイと称される現象が、脳の様々な領域で発見されている。このリプレイ現象は記憶の固定化に関わる重要な神経過程と考えられているものの、記憶・学習との因果関係は依然証明されたとはいえない。本研究では、臨界期にさえずりを学ぶソングバード(鳴禽類小鳥)の歌学習を研究対象とし、申請者がこれまで独自に見出してきた大脳基底核における睡眠中のリプレイ様活動が、ソングバードの歌学習に果たす機能を明らかにすることを目指す。 これまでに、行動中のソングバードの大脳基底核Area Xから神経活動記録をおこない、以下の点を明らかにしてきた。1.学習臨界期における幼鳥では、Area Xニューロンはさえずり行動特異的な活動を示し、かつ徐波睡眠中に一過的な活動の上昇を示す。2.学習臨界期を過ぎた成鳥では、さえずり関連活動を示すArea Xニューロンは、睡眠中にも一過的な活動の上昇を示し、同時に記録した局所電場電位は高周波のオシレーションを示す。これら結果の取りまとめをおこない、それぞれ論文として発表した。さらに、睡眠中のArea Xの神経活動を擾乱するために脳内に刺激および記録電極を埋め込み、電気刺激によって基底核ニューロンの自発発火活動を可逆的に変化させることが可能であることを確かめた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに得られた結果を2報の論文にとりまとめた。従って、おおむね順調に進んでいるといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた結果についてさらなる解析をおこなう。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度未使用分については、今年度新たに必要になると思われるPC等の購入に、H24年度請求額分については、データ解析等に必要なソフトウェア等の購入に使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)