2012 Fiscal Year Annual Research Report
睡眠中における脳内の神経活動がソングバードの歌学習に果たす機能
Project/Area Number |
23700396
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
柳原 真 独立行政法人理化学研究所, 発生遺伝子制御研究チーム, 研究員 (60392156)
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Keywords | 大脳基底核 / 睡眠 / ソングバード / 臨界期 / 学習 / 記憶 |
Research Abstract |
鳴禽類ソングバードの大脳基底核Area Xは、臨界期における発声学習に必須の領域である。この領域におけるニューロンがさえずり行動に特異的な活動を示すだけでなく、睡眠中においてもさえずり関連活動と同様のリプレイ様活動を示すことが明らかになった。さらに、学習臨界期を過ぎた成鳥においても、同様の現象が見出された。しかも成鳥においては、基底核から記録された局所電場電位が睡眠中ガンマオシレーションを示し、同時記録した約半数のArea Xニューロンが位相同期を示すことも明らかになった。これらの結果から、基底核Area Xはさえずり行動中においてのみ活動を上昇させるだけでなく睡眠中にも特徴的なリプレイ活動を示し、この睡眠中における基底核の自発的神経活動が臨界期における発声学習に重要な機能を果たすことが示唆された。これらの研究成果について投稿論文を作成し、学術雑誌に掲載された。さらに、この睡眠中のリプレイ様活動を阻害することで、実際に発声学習が阻害されるかどうか検証する必要がある。そこで神経活動を擾乱する方法のひとつとして、刺激電極をニューロン活動記録用電極の近傍に慢性的に埋め込み、電気刺激によって近傍におけるニューロン活動が実際に擾乱されることが確認できる実験系を確立した。今後は、この電気刺激を使った手法や薬理学的手法、光遺伝学など様々な手法を用い睡眠中の神経活動を擾乱することで発声学習に対する影響を検証していく必要がある。
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Research Products
(1 results)